未解決 八王子スーパー強盗殺人事件現場をゆく | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

昨年引退した国民的といわれていた某女性アーティスト。

個人的には人物にも歌にもほとんど興味ないのだけれど

プロとしての気力と体力には本当に尊敬したときがあった。

 

彼女は実母が殺害されている。

通常の人間であれば、精神的なショックで表舞台で表現を

続けるのは困難かと思われる。

だけど、彼女はそれほど時間を必要とすることなくテレビに復活した。

あのときは心からタフだなあと感じたものだ。

 

これはまじめな話で、この年齢になると知人あるいは知人の知人くらいまで

範囲を広げていえば、もう病死や事故死してしまった人間、あるいは自殺して

しまった人間の話も聞くようになってきた。

 

だけど、事件やテロで命を奪われた人間の話はまだ聞かない。

もしかしたら、耳に入ってきていないだけでどこかで誰かが殺められてしまっている

かもしれないけど、今のところそのような情報はまだ聞こえてこない。

 

知っている人間の中で事件などにより、殺されてしまった者がいないという確率は

果たして高いのか低いのか、とたまに考える。

 

身近な存在でそういう不幸に襲われた人間の存在を聞かないというのは幸いな

ことかもしれないが、いいかえればまだどこか知らない誰かの身に起こるようなこと

だという感覚麻痺を維持し続けてしまう危険はあるかもしれない。

 

「世田谷一家四人殺害事件」が未解決のまま令和を迎えてしまったが、平成には

もうひとつ未解決のままの大きな、そして残酷な事件があった。

それも忘れてはいけない。

 

『八王子スーパーナンペイ強盗殺人事件』

警視庁八王子署の呼びかけはココ

 

1995年の八月。

八王子市郊外にあったスーパーナンペイの2階事務所で3人の女性が殺された。

ひとりはパート。あとのふたりはアルバイトの女子高生。

日本という土地柄、強盗犯が使用する凶器はたいてい刃物や鈍器が多いが

この事件に関しては、一般の市民にたいして拳銃がしかも至近距離で放たれた

という禍々しい事件だった。

 

少し前に、海外で刑を受けている日本人?がこの事件についての真相をしっている

とか話していくらか話題にはなったが、進展はなく結局は今も未解決といえるだろう。

 

無関心であってはいけない。

そして、これもまた情報に左右されて好き勝手に語るのではなく、どんなにわずかな

データであっても自らの目で確かめておくべきだと思い、週末に足を向けてきた。

 

天気も晴れで、運動もかねて自転車で。

1時間強で八王子市内に入った。

以前も一度自転車で八王子までいったことがあるので、道はわかっていた。

 

現場にゆくまえに一か所立ち寄りたいところがあったので先に寄った。

 

駅から歩いたら15分くらいだろう場所にある大和田橋。

前に通ったときはまったく知らず、そして気づかずスルーしていた‘ある遺産’がそこにあった

と、当時帰ってからしったので、それを改めて見てきた。

 

 

上は八王子側からの橋のたもと。

橋の上からは長閑な風景が広がる。

 

 

太平洋戦争の終結前、実はこの八王子周辺も米空軍B29から空襲をうけ、

大きな被害を被り、たくさんの被害者をだした。

 

そのときの焼夷弾の弾痕が残って足元にさりげなく展示されていたとのことだが

以前通ったときはまったく気づかず。

 

今回はそれをすぐに発見。

 

 

一か所だけごく自然に埋め込まれているので、前情報がないかぎりは

多くの人が気づかず踏んづけて過ぎてゆくことだろう。

八王子に寄られて大和田橋を渡る際はぜひ足元を気にしてみていただきたい。

 

さて、メインの現場に向かおう。

橋からふたたび立川方面へ戻るように進んでゆくと、ハード・オフやブックオフが

密集している建物があり、その前をバイパスが走っている。

その建物のところを左に曲がると、それなりに坂があり、そこを上がりきったところが

現場周辺らしいということは調べてわかった。

 

前も同じ道を通り、しかもブックオフまで立ち寄ったので、ここからすぐ近くだとわかって

いれば当時まとめて立ち寄っていたが不覚だった。

 

坂が長く、気温も上昇してきたので自転車を降りて押して歩いた。

途中、八王子の街並みが見渡せるような高台を上ってゆく感じだ。

 

坂を上がりきると、マクドナルドやかつやなど大きな資本のチェーンが並ぶ大通りとなった。

現場はどうやらこの近辺らしいが、こんな車の通りも激しいあたりで本当にあんな大胆な

犯行が行われたのだろうかという疑問がぼんやり浮かぶ。

 

さほど難しい場所に位置していないだろうと思い、そこからは適当に自転車を

走らせて探す。多少迷った。

訪れたことのある人のブログを見たら、近くにジーンズショップのライトオンがあるとの

ことだったが見当たらない。もうなくなっているのだろう。

 

大通りを脇に1本か2本入ったあたりで、それらしき現場のにおいを感じた。

たぶん、このへんだ。そう思ったら立て看板を発見。

 

ここがその「スーパーナンペイ」とその事件があった現場だ。

 

 

「ナンペイ」は事件後に「ひまわり」と改名して営業を再開したがまもなく閉店。

解体されて今は御覧のように駐車場になっている。

 

建物が既に存在していないことはわかっていた。

別にキモダメシにいったわけではない。

現場の空気、そして立地などを確認しておきたかったからこれでいいのだ。

 

敷地自体はかなり広く、こちらはもうひとつの出入り口から撮影。

 

 

なるほど。

たしかにすぐ近くには大通りが走っているが、一歩脇に入ればそこはやや静かな

住宅街。よくあるケースで決して珍しくはない。

実際、「ナンペイ」も地域住民がよく利用するタイプのスーパーだったようだ。

 

ただ、世田谷一家事件の家のように決して陸の孤島状態ではなく、民家もそれなり

に存在しているので、目立たず逃走するのはかなり困難ははずだといざ現場にくると

思えてくる。

 

大通りのほうに出れば間違いなく誰かしらの目には入る。

しかも事件当日はすぐ近くの公園で祭りも開催されていたため、人もそれなりに歩いて

いたとはずである。

逃走経路の推理だけでも一般人には困難を極める。

 

一般人相手に至近距離で頭に向けて拳銃を発射。

いずれも即死。

パート女性は頭頂部だけでなくこめかみも撃ち抜かれ、腹には刺し傷も。

女子高生ふたりは互いの手首をガムテープで縛られ、口もふさがれ、並ぶように

うつ伏せに倒れていたという。

(ちくま文庫「殺人現場を歩く」より)

 

拳銃使用にくわえ、異常なその残酷性から外国人犯行説も強いが真偽はまだ不明だ。

そして金庫が手つかずだったという状況も謎である。

あらゆる方向でこのままでは迷宮入りになってしまう。

 

罪のない人が3人も残酷な殺され方をされ、遺族もいる事件である。

「センセーショナルな平成の事件」として終わっても、また忘れてもいけない。

 

真犯人が一刻も早く判明し逮捕され裁かれることを祈りながら、オレごときの発信など

無力なことだと承知のうえ、なにもしない、やらないよりかはマシなので事件における

連絡先を改めて最後に表記させていただく。

 

 

警視庁 八王子警察署

スーパー強盗殺人事件特別捜査本部

 

042-621-0110