おもひでほろほろ④金島温泉・富貴の湯 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

続き。


四万温泉始発の関越交通バスに乗り、昼前に中之条駅に到着。

バスから電車への乗り換え時間も計算していたので、バスを降りてから15分ほどで

電車はやってくる。妥当な待ち時間だ。


次に下車する駅およびその周辺には昼食をとれるようなポイントがないのも確認済みなので

電車到着前に駅売店で昼ごはんを買っておくことに。


パンくらいしかなかったから、やむおえず150円ほどのクリームパン1コだけ購入。

待合室でかぶりつき、そっけない昼食終了。


「まもなく電車が到着します――」というアナウンスが頭上から降ってきたのでホームに入る。


ひとつの乗車口に立ち、ちらっとホームの並びを見ると

3つ隣りくらいに乗車口に女装したメイド姿の中年男性?が……


思わず、あっ!!と声を出しそうになった。

実は同じ人物を前日バスで四万温泉に到着した時も見かけたのだ。

バスを降りて四万グランドホテルのところから河原の湯があるあたりを何気なく見下ろしたら

まったくおなじメイド姿で河原に腰かけ、足に水を浸していた……


女装そのものは別に罪でもなんでもないから問題ないんだけれど、あの人はいったい

何物でどうして四万に来ていたのかが気になる。


そして、四万温泉でも遭遇して、翌日にはかなり離れた中之条駅で再び遭遇という数奇な

タイミングも何かありそうだ。

「四万」「女装」というと、ひとつ気になる情報があるのだけれど、おそらくそれとは別件だとは

思う。


さて、話を戻そう。

吾妻線がホームにすべりこんできたので乗車することに。


揺られることたしか十数分くらいだろうか。

目的地となる駅に到着。


「金島駅」



富貴1

ひらけた地の中に出現するむきだしのプラットホーム。

乗降車する人は今までもあまり観たことがない。


ちょっとした待合室とホームしかない無人駅だ。



富貴2

前に2度ほど途中下車した隣りの祖母島駅も同様に無人駅だが、この寂寥感はたまらない

ものがあって好きだ。


年々オシャレなお店が詰め込まれてきている都会のターミナル駅とは対極の位置にあるような

駅舎。

言葉では表現しきれない真のクールジャパンここにあり。


ずっと前から吾妻線で中之条・川原湯温泉に向かい、この駅を通る時に車窓から

見える日帰り温泉施設とその看板が見えたので気になっていた。


せっかくの通り道なので今回下車して、立ち寄ってみようという魂胆である。


電車からホームにおりて改札までいった時、時刻表を見て次が何時にくるか確認した。

吾妻線は本数が少ないのはわかっていたが、それでも1時間に1本は来るだろうと甘く見積もっていた。


ちょわっ!!次は2時間後ぢゃないかっ!!


小さい温泉施設以外は見渡してもなにもないこの駅周辺で2時間潰すのか……

温泉で1時間を見積もってちょうどいいかと思ったが、その倍の時間を潰すのは至難の技だ。

まあいい。せっかくの旅だからここはオレらしくのんびりしようと決めた。


駅のホームから既に施設が見えるんだけれど、反対側にしかない改札をでてそこから歩いて

線路の下をくぐったりしながらで、5分くらいはかかった。


そして到着。


『金島温泉・富貴の湯』

群馬県渋川市川島99-1

詳しくはココ



富貴3


もともとはある企業の保養施設だったが、のちに一般開放したらしい。

「まっぷる」などの温泉ガイドでも必ず紹介されているけっこう有名な日帰り温泉。


ほんの少し前にリニューアルして広く綺麗になったのだが、個人的には以前のどこか

懐かしい民家のような感じの佇まいのほうが好きだった。



富貴4

入館料は2時間400円。

延長したぶん追加料金が発生。



フロントでおカネを払い、いざ浴場へ。



脱衣所の先には内湯と洗い場。

さらにその先には露天がある。


まだ午後になったばかりだったがこの日は土曜日ということもあり露天に先客がふたり。

おじさんとおじいさん。


体を軽く洗って内湯に数分浸かったあと、外にでて露天に空いているスペースに入る。


お湯は茶褐色で、気温も高かったせいか温度も熱めに感じた。

源泉かけ流しでいかにも温泉という感じで良い。


しばしの間、目を閉じて五感でお湯を満喫する。


先客のおじさんとおじいさんのふたりが出られたら、風呂の写真を撮ろうかと思いながら

浸かって待っていたのだが、このふたりがなかなかあがらなかった(爆)



おじさんのほうがグターっと横になったまま動かず、おじいさんのほうは時々のっそりと

湯舟からあがってゆくので、もう撤収するのかと思ったらそばにあるベンチに腰掛け、

すこししたらまた湯に入る……


まだでないか、まだでないかとそれでも待っていたが信じられないくらいあがらないのだ。


撮影待ちでこの時点で既に1時間以上経過。

オレが入ってからでも1時間経っているのだから、先に入っていたこのふたりは少なくとも

1時間以上は浸かっているという答えがはじき出される。

信じられん。しかもこのクソ暑い日に。


オレのほうはもうかなり茹で上がっている……


「いや、あのですね。こういう施設という場所はみんなの場所であるからして、許される時間内であるならば誰でも好きなだけいてもいいとは思います。でも、居座りに問題ないということを抜きにしてもこの猛暑のなかで1時間以上普通に浸かってられるというのはちょっとどうかなと思われます。きわめて個人的な願望であるとは承知しておりますが、この名もなきブロガーの画像撮影のため、そろそろこの露天から撤収していただければ幸いでございます……」

……

以上が当時のオレのお気持ちの表明。


1時間10分くらいたって、やっとふたりとも露天からあがっていった。


執念と忍耐でゲットした露天画像だ。



富貴5

この画像を撮るまで熱いお湯に浸かること1時間20分。


結果からすると次の電車が来るまでのインターバルが2時間でちょうどよかった(笑)


ここでオレも風呂からあがることにする。

長い間お湯に浸かっていたもんだから、体が熱を保ってしまって汗がとまらん。ひぃぃ。



汗をひかすために休憩所ですこし休むことに。


画像はないけど施設内には「流星ロマン」と名付けられたスペースもあった。

窓越しに流れ星でも見えるのかと思ったが、実際には暗くなってから新幹線が通る際、

その光が尾を引いて流星のように見えるかららしい。

なかなかオツな趣向だ。


クールダウンしているうちに次に電車の時間が近づいてきたので、施設をあとにして

再び金島駅へ向かった。


良い温泉だった。



次回はちょっとしたエピローグでひとり打ちあげのオマケ記事。

それでシリーズはラスト。