昨日、ドキュメンタリー映画「世界が食べられなくなる日」の先行上映会@渋谷アップリンクに行ってきました。

映画『世界が食べられなくなる日』


『未来の食卓』 『セヴァンの地球のなおし方』のフランス人監督ジャン=ポール・ジョーが、世界で初めて極秘に行われた「遺伝子組み換え作物を与えたラットの長期実験」に密着し、遺伝子組み替え作物が人体にもいかに危険であるかを訴えています。


また、原発についてもフォーカスし、原発福島第一原発事故以降の日本やその地に住む農家がどのような影響を受けたのかも収めていて、「遺伝子組み換え」と「原子力」の共通点を指摘し、それが世界中に拡散している様子を表しています。


作品冒頭、フランスの分子生物学者でラットの長期実験を行ったジル=エリック・セラリーニ教授はこう警告しています。

「20世紀に世界を激変させたテクノロジーが二つあります。核エネルギーと遺伝子組み換え技術です。これらは密接に関係しています。米国エネルギー省は原爆につぎ込んだ金と技術者を使って、ヒトゲノムの解析を始めました。そこから遺伝子組み換え技術が誕生しました」。


この作品では、ただ危険な状況を伝え悲観しているだけではなく、安全な世界を未来の世代に残すために出来ることとして“アグロエコロジー”を実践するセネガルの農業学校の様子なども映し、ひとつの可能性を提案しています。


先日、岩手を訪れたときにレンタカーでまわりましたが、映画鑑賞中、車の窓から見えたあたり一面に続く田園風景と田植えをしている農家の方の姿が何度も頭に浮かんできました。



遠野市博物館で農民の暮らしに関るの展示物を見たり、語り部の話を聞いたときも、日本では昔から沢山の人たちがずっと大切に引き継いできた農業があり、それは簡単なことではなく、貧しく苦しい思いをしながら守ってきたものであるということを改めて実感しましたし、祖先たちが試行錯誤で編み出してきた素晴らしい食文化を現代の私たちは次の世代にまたしっかりと引き継いでいかなくてはいけないという使命を再認識しました。



あの田園風景もそれはそれは美しく、絶対に失ってはいけないものだと思ったし、それが原発によって侵されていくことも、日本人として他人事ではなく決して許されることでなく、国全体で解決していかなくてはいけないことだと痛感しました。


実際に行ってあのずっと続く景色を見たり、被災地を見たりすると、体で知るような気がします。


そんな思いと、日本が抱えている問題、世界で起こっている問題、新たに迫ってきている危機が繋がっていく、そんな映画でした。


6月8日より、アップリンク他、全国で順次公開です。


must watchです。


上映会の後に行われたTPPについてのトークショーについては、次の記事で書きます。