クスコ、文化財使用権譲渡反対48時間ストの欺瞞 その2言論操作と経済的利権 | PERU day by day改めKansai day by day

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17年住んだペルーから帰国してスペイン語の全国通訳案内士デビューしました。インスタグラムシェアしながら、日常生活や日本の面白いところを紹介していきます。
趣味はランニングとペルーの国民舞踊、マリネラ・ノルテーニャ。

ストライキ二日目の朝、耳にしたデモ隊参加者の間での会話。

「なんで、ストしているの?」
「マチュピチュが民営化されないためよ!」

DL1198は民営化ではなく、10年以内の使用権譲渡を許すものであり、またユネスコの世界遺産は除外されている。

しかし、世間にはこのような勘違いをしているクスコ市民は多く、誤解を正されないまま、ストライキに参加しているのだ。

家は人が住まなくなると、傷みが進む。遺跡も同様だろう。見学客があり、メンテナンスが受けられることで、保全が進むのだ。ペルー国内には20000件もの遺跡があるが、その90パーセント以上は観光客が訪れることもない、荒れるがままになり、調査もほとんどされていない。

もし民間の使用許可を与えて、遺跡の観光開発が進んだなら、考古学調査も行われ、ペルーの歴史研究の一助にもなるし、なによりも、レストラン経営や土産品販売などが可能になり、雇用が増えて地元住民への観光収入も増える。

しかし、クスコ市ではそのようなことは考えないようだ。
観光において、クスコは金塊をすでに持っているようなものだ。サクサイワマン、オジャンタイタンボ、マチュピチュなどといった世界有数の遺跡・観光資源という金塊を有して、座したまま、懐にお金が入ってくる。法外に高い、クスコ周辺の観光地のツーリストチケットの収益は関係自治体に分配される。その利権が外国資本に脅かされるというような議論もなされた。

しかし、ペルーには金鉱のような魅力がありながら、開発が進まない遺跡もたくさんある。クスコ県内も、前々回書いたキジャルミヨックやビルカバンバのように開発と観光プロモーションを待つ遺跡はたくさんある。

しかし、今回の議論でそのような少数派は無視されてしまった。

クスコのモスコソ市長は
「ワカプクヤーナ遺跡は、同名のレストランの尻に成り下がっている」

遺跡敷地内にレストランが開業してから遺跡入場者が増加したワカプックヤーナをそのように評した。

そう、事実を歪めての言論操作が始まってきた。

クスコの地元テレビ局での意見を聞いていると
-文化財保護は嘘で経済的権益を守るため。
-中央は悪で、自分たちは搾取されているという被害者意識を広げる
-インカの子孫という意識を植え付け、遺跡は自分たちのものである
-ペルーレールの運賃は法外だ。これはチリ資本(本当はイギリスとペルー合弁)が不当に利益を得ようとしているためだ。
-クスコの富を外国資本が持っていってしまっている。
-民間投資家が興味があるのは、ドルだけだ。
-われわれは文化財を守るのだ。

といったものばかりが報道されていた。。

しかし、10月5日の大衆集会の同じ週、クスコのアルマス広場から徒歩でたった20分行ったところにあるトトラパクチャ遺跡(入場料はとられていない)の水路がセメントで固められ、ポリビニールの管を通して、水を他に流してしまうという蛮行が行われているという報道がなされた


いったい、クスコの人間は本当に文化財を愛しているのだろうか?

よくあるマチュピチュでの愚行。
ペルー人の仕業だ。


この写真はクスコの人間とは限らないが、ごみを捨てたり、飲食をしたり、遺跡の壁に上ったりというような、遺跡での禁止事項を平気で行う者には地元のクスコ人が多い。

もし注意をしようものなら、
「これは俺たちのものだやりたいようにして何が悪い!」
と口答えをする。

マチュピチュ遺跡へのペルー人入場料金は外国人の半額、さらにクスコ人は毎月第一日曜日には無料で入場できる。安く入場しながら遺跡を乱して維持費を上げてしまう。

しかし、自分たちの行いを省みることもなく、ペルーの文化財を守っているような言論が巷にあふれ始めた。

法令1198にある民間への使用譲渡を擁護しようものなら石もて追われかねないような狂信的な雰囲気がクスコに満ち溢れ始めた。

つづく・・

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