ときどき坂村真民の詩集を開く
その中のひとつの詩「バスのなかで」を読んで
こみ上げるものがあった
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「バスのなかで」 坂村真民
この地球は
一万年後
どうなるかわからない
いや明日
どうなるかわからない
そのような思いで
こみあうバスに乗っていると
一人の少女が
きれいな花を
自分よりも大事そうに
高々とさしあげて
乗り込んできた
その時
わたしは思った
ああこれでよいのだ
たとい明日
この地球がどうなろうと
このような愛こそ
人の世の美しさなのだ
たとえ核戦争で
この地球が破壊されようと
そのぎりぎりの時まで
こうした愛を
失わずにゆこうと
涙ぐましいまで
清められるものを感じた
いい匂いを放つ
まっ白い花であった
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私たち人間は
どうしてこうも欲が出てしまったのだろう
ただそこにあるものに感謝する
ただそこにある美しさに心を奪われる
それだけでいいのに
もっともっと・・・
と思えば思うほど
そういった純粋な心が
無くなっていくように感じる
私自身も欲に負けてしまうことが多いけど
時には立ち止まって
ただそこにある美しさを
ありのままに堪能したいものだ

