仕事に向かう朝
マンションのエレベーターに乗り合わせた背の高い男の人。
普段は見かけない人。
でも後ろ姿だけで知っている人のような気がした。
それが昨日になって
やっと誰だかわかりました。
今度はちゃんとお顔が見れたから。
彼は好きで好きでたまらなかった人でした。
7年前に
何も言えず
何も言ってもらえず
離れて以来
自分の気持ちを処理できないままでいました。
ずっと憶えていたんです。
姿を見たらね、なんだろう。
7年前に戻るような
錯覚だけど、そんな気がしたんです。
中学生の、あの冬の匂いの中に。
眩しく細めたような目と姿勢のいい大きな体。
声はかけられませんでした。
それをしたらずたずたになるのもわかっていたんです。
未来も将来も想像もしないけれど、もしもそんなものがあるのなら。
人生や運命が自身の選択によって決まるものであるのなら。
きっと今でも抗えない。
一瞬の夢。
窓を開けて、夢に見ていた続きの日々。
今度こそちゃんと終わらせてあげないと。