1月16日、17日は大学入試センター試験です。
小笠原高校の子供達も毎年受験しています。
しかし、小笠原高校の子供達がセンター試験を受験するためには、船便の都合で船中泊と内地泊で24泊25日しなければなりません。
毎年この時期は定期船おがさわら丸のドック(定期検査と修理)があり、約20日間も定期船が父島から出港しません。
そのため、このような事態が発生します。
保護者の経済的な負担はもちろん、2月の私大受験や国公立大学受験を控える島っ子達にとって、とても大きなハンデになります。
私も受験生だった頃、1月~2月に大きく成績を伸ばせました。
その大切な時期に24泊25日を強いられる島っ子の受験生。
何とかしなければという想いを強く持っています。
 
 
数年前にこの状況を何とか解決しようと関係機関に働きかけた事があります。
ドックの時期を少しでもずらせないのか?
小笠原海運に掛け合って検討してもらいましたが、毎年数名の受験生のためにドック時期を変えることはできないとのこと。
 
小笠原高校でセンター試験を受験することができないのか?
独立行政法人 大学入試センターに出向いて小笠原高校の実情を説明して可能性を模索してもらいましたが、入試問題のセキュリティーの課題と採点ができないということで、小笠原高校での実施は難しいという結論になりました。
 
最後に試験会場を都内限定ではなく、全国の会場から選択できるよう独立行政法人 大学入試センターに検討してもらいました。
実家や親類宅に子どもを預けることができれば、経済的な負担や受験生の負担が少しは解消できます。
すると、東日本大震災の時に特別措置として住民票を置いていなくても、避難先の近くで受験できるようにした事例があったため、小笠原諸島の特殊事情を考慮すればより具体的に検討できるとの回答をもらいました。
独立行政法人 大学入試センターを管轄する文科省にも出向いて小笠原の特殊事情を訴え、文科省も理解をしてくれました。
また、検討するためには私だけの要望ではなく、地元としての要望が欲しいという事を言われました。
そのため、村役場と相談したところ、結果的に東京都教育委員会から要望を出すことになりました。
 
先日、小笠原高校に
「受験場所を全国から選ぶことができるようになっていますか?」
と聞いたところ、今も都内だけだという回答でした。
まだ改善されていないようです。
どこで止まってしまったのか?
今、もう一度働きかけを再開しています。
このような実態をマスコミの皆さんも、ぜひ報道して欲しいですね。


追記:貨物船の共勝丸に問い合わせましたが、7年ほど前から一般乗船客は基本的に断っているそうです。不幸があったときなど、緊急時でなければ乗船できないそうです。船員さんが一般乗客に対応ができないとのこと。今回の件も聞いてみましたが、高校生でもあるし乗船はご遠慮願いたいとのことでした。