小路幸也さんの『札幌アンダーソング ラスト・ソング』を読みました。

 

 


主婦が銃殺される事件が発生した。
事件以来姿を見せない夫の人相は、北海道警捜査一課の仲野久刑事そのものだった。
しかも、久が1度も入ったことのないはずの部屋の中から、久の指紋が発見される。
北海道の裏社会で暗躍する山森が絡んでいると判断した久の先輩根来は、天才的頭脳を持つ志村春の助けを借りて、事件解決に挑む。



『札幌アンダーソング』『札幌アンダーソング 間奏曲』と読んできましたが、どの作品もいまいち集中して読むことができませんでした。
小路幸也さんらしくない話に頭がついていかないって感じ。

小路幸也さんとしては珍しい刑事事件もの。そして、「変態行為」という言葉を乱発させる変態的性癖の話がばんばんと出てくる…
まるで、これまで書けなかった鬱憤を晴らすかの如く書き上げた作品じゃないかな?と思うほどでしたが、小路幸也さんとしては、これまでの殻を破りたかったのかも。

春にしても、過去4代にわたる先祖の記憶を持って生まれ、目にしたものは瞬時に画像として記憶できる能力を持っている、というところまでは小路幸也さんらしい設定かなと思うのですが、希代の天才というところは少し疑問が。
せいぜい、他の人たちよりも頭が切れる程度じゃないのかなぁと感じてしまいます。

3作を通じて、小路幸也さんに求めているものはこれじゃないんだよ!って印象を受けました。
この作品をはじめに読んで、小路幸也さんってこんな作風なんだって思われると、ちょっともったいないかなと思いました。

 

 

 

 

 


過去の「小路幸也」記事

 

 

 

 

 

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