伊園旬さんの『ブレイクスルー・トライアル』を読みました。

 

 


大手セキュリティ会社〈セキュア・ミレニアム〉が企画した、「ブレイクスルー・トライアル」というイベント。
〈セキュア・ミレニアム〉の研究所に侵入し、内部に置かれているマーカーを奪取したのち、無事に脱出すれば賞金1億円。
このミッションに、〈セキュア・ミレニアム〉を退職した門脇雄介と親友の丹羽史郎らのグループなど、書類選考を経た12のグループが挑戦するが、それぞれにこのミッションに挑む思惑があって…



第5回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞を受賞した作品です。

私好みの作品かな?と思って手に取ったのですが、出てくるセキュリティ設備がチープ。
いくら日進月歩の世界とはいえ、セキュリティ会社が技術の粋を尽くしたわりには、少し物足りないんじゃないかなと。

この作品が受賞したのは2007年なのですが、たとえば映画『ミッション:インポッシブル』が公開されたのは1996年と、10年も前です。
映画公開時には実現されていなかった技術も含まれてはいるでしょうが、この2つを比べただけでも、かなり見劣りしてしまいます。

高度なセキュリティ技術を持ち込めば、その分どうやって乗り越えるかを考えるのが難しくなるのですが、そこをなんとか考えて欲しかったなぁと。

軽快な文章で読みやすかったのですが、最後はドタバタ劇になってしまって、門脇らに当たるはずのスポットライトが、あっちへ向いたりこっちへ向いたりしてしまい、よくわからなくなってしまったかなというのも、少し残念な点でした。
 

 

 

 

 


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