中山七里さんの『護られなかった者たちへ』を読みました。

 

 


居住者がいなくなったアパートの一室で、福祉保険事務所に勤める三雲忠勝の死体が見つかった。
三雲は両手両足を拘束された上で口を塞がれ、餓死させられていた。
さらに、農機具小屋の中で、県議会議員の城之内猛留が同様の手口で殺害されているのが見つかる。
三雲も城之内も、善人で、人格者であるという評判が高かった。



予算ありきで生活保護の受諾数を調整する国の姿勢に一石を投じた作品になっています。
同じく、生活保護の話を取り上げた作品があったなぁと思って調べてみると、『帝都地下迷宮』の主人公・小日向巧が福祉保険事務所に勤めていました。

必要な人に支援の手が行き渡らず、本来不要である人たちが限りある支援の手を食い潰してしまう…
そこを判断することは非常に難しいことだと思いますが、必要な人に手が差し伸べられないのはやっぱりなって思ってしまいます。

コロナ以降、低所得者層への支援金や、世帯収入を問わない高校の無償化といった話を聞くと、必要ない人たちにまで税金が使われているんじゃないのかな?と思ってしまったりもしますが、手からこぼれる人が出るくらいなら、それでも良いのかと思えてきてしまいます。

最後は、中山七里さんお得意の〈どんでん返し〉。
でも、私はかなり前の方で犯人がわかってしまっていたので、驚きはなかったですね。
ただ、動機のところが不明瞭だったので、それがわかったときには、おぉ!っと思ってしまいました。

 

 

 

 

 

 

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