貴志祐介さんの『青の炎』を読みました。

 

 


湘南の高校に通う櫛森秀一は、母と妹との3人暮らし。
しかし、母が10年前に再婚し、すぐに別れた元継父・曾根隆司が家に転がり込み、酒と博打に溺れる生活を送っていた。
このままでは、母や妹の身に危険が迫る。
秀一は、曾根を殺害するための完全犯罪を計画する。



離婚したはずの母の再婚相手が突然家に転がり込み、傍若無人を働く。
しかも、母には曾根を追い出せない理由があって…
いきなり重い話からはじまって、これはなかなかヘビーな読書になるぞと覚悟したのですが、序盤さえ乗り切ってしまえば、あとはページをめくる手が止まりませんでした。

秀一の高校生活という、自宅とは別世界での話がオアシスになっているのでしょうか。
青春ドラマという側面も持っていて、そのバランスが絶妙だったと思います。

家の中で、秀一が金属バットを手に曾根と対峙した際、ここで曾根を殺害してしまうと妹たちに迷惑がかかると思いとどまるあたり、なかなか冷静な頭を持った少年だなぁと思いました。
まぁ、妹たちに迷惑がかからない完全犯罪という形で曾根を殺害しようと考えるあたり、真に冷静なのではないかも知れませんが…

序盤に、ミステリーでは悪事は露見しトリックは破綻するというルールが、比較的よく守られていると書いた上での完全犯罪。
どういう結末を迎えるのか、最後まで気が抜けませんでした。

最初の重苦しい家庭内事情を乗り切る自信がある方であれば、かなりオススメな作品です。

 

 

 

 

 

 

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