八木圭一さんの『一千兆円の身代金』を読みました。

 

 


国武元副総理の孫息子・篠田雄真が誘拐された。
犯人の要求は、日本の財政赤字額である1085兆円の身代金。または、財政危機を招いた責任についての謝罪と、具体的な再建策の提示を行うこと、という、前代未聞のもの。
警察は、平岡ナオトという人物が書いた『嘆願ブログ』に着目するが…



第12回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞作品です。
大賞受賞時は、『ボクが9歳で革命家になった理由』というタイトルだったそうですが、出版時に、このインパクトのあるタイトルに改変されました。

読んでみての感想は、あともう1つ、何かが足りないかなぁって印象を受けました。
たとえば、元副総理の孫を誘拐するのではなく、元副総理自身を誘拐した方が、インパクトがあったんじゃないかな?とか。
その部分が、この作品のラストに繋がっているのはわかるのですが、それくらいのインパクトを残しつつ、あれくらいのラストに繋げて欲しかったなって。

あと、読んでいると、細かく時間が前後している印象を受ける(実際、前後している部分がある)のですが、それがなんとなく気持ち悪いというか…
そこに、何か大きな伏線みたいなものが隠されていれば良いのですが、それもなかったように感じました。

面白かったし、考えさせられもしたのですが、設定の面白さを充分に活かしきれていなかったかなぁという点が、少し残念に感じました。

 

 

 

 

 


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