麻耶雄嵩さんの『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』を読みました。

 

 


探偵の木更津悠也と香月実朝の2人は、今鏡伊都からの依頼により、〈蒼鴉城〉と称される今鏡家の屋敷を訪ねた。
しかし、2人より先に警察が到着しており、屋敷の中では伊都と息子の有馬が殺害された上、首を切断されていた。
2日後には伊都の弟・畝傍が殺害されるが、これはまだ悲劇の序章だった。



タイトルに「メルカトル鮎最後の事件」とあるので、この作品よりも前にメルカトル鮎が登場する作品があるのかな?と思って調べてみましたが、この作品は麻耶雄嵩さんのデビュー作なんですね。
このあと、「メルカトル鮎シリーズ」として、何作か出ているようですが、「最後の事件」のあとに、どう繋げているんだろうなぁと、ちょっと気になってしまいました。

作品としては、あまり好みではないタイプ。
同じ屋敷の中にいながら、およそ10人の首が切られるまで真相に辿り着けない探偵。
途中から乱入してくるメルカトル鮎は、シルクハットにステッキという、キザな格好。
大家族とはいえ、約10人も殺害されれば、容疑者は必然的に限られてきます。
となると、普通に考えて容疑者になる人は除いて…となるのですが、これまた想像の範囲内…

メルカトル鮎が登場して、一段落したところで、おっと思ったのですが、とある作家の作品群の見立てになっているということと、”あれ”から推理すると、あの人が犯人で、動機はこうかなぁと。
わかってしまうと面白くないなぁと思いながら読んでいたのですが、そこは外れでした。

描かれている時代も古さを感じましたし、古典的な探偵もの。
私個人としては、まぁ面白かったけど、次はないかなぁって感じでした。

 

 

 

 

 


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