下村敦史さんの『ヴィクトリアン・ホテル』を読みました。

 

 


開業から100年を迎え、改築のためにいったんその歴史に幕を下ろすことになったヴィクトリアン・ホテル。
このホテルに、女優や新人作家、スリ、心中を考える夫婦らが集まってくる。
彼らが交錯したのちに生まれるものとは。



『告白の余白』『絶声』に続き、下村敦史さんの作品3冊目です。
短い期間に3冊を読んだような。
どの作品も好きですが、やっぱり私は下村敦史さんにどハマりした『告白の余白』が1番好きかな♪

主要登場人物の視点で交互に語られていくのですが、どこか違和感を感じる内容。
そういう可能性も考えたのですが、どことどこがグループなのかなぁと考えていたら、まさかまさかの…
はじめは、あそことあそこが繋がらないんじゃないの?って思ったりもしましたが、すべてがうまく繋がっているんですよね。
参りました。

物語を通じて語られているのは、物事に対する世間の反応は、必ず裏表があるということ。
下村敦史さんの体験も含まれているのかも知れませんが、そのどちらか、または両方に過剰に反応していると、ますますうまくいかなくなる。
良かれと思ってやったことがある人から批判されたりってことはよくあることですよね。
ある意味、鈍感力が必要ってことかも知れませんが、自分というものをしっかり持つことが大切と言われているような気がしました。

 

 

 

 

 

 

過去の「下村敦史」記事

 

 

 

 


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