辻村深月さんの『凍りのくじら』を読みました。
芦沢理帆子は進学校であるF高に通う女子高生。
父でカメラマンの芦沢光は5年前、末期がんに冒された末、失踪した。
そして、母汐子も、卵巣がんで入院中。
そんな理帆子に、学校の先輩の別所あきらが、写真のモデルになって欲しいと言ってくる。
『冷たい校舎の時は止まる』に続き、辻村深月さんの作品2冊目です。
最後まで読んで、ああ、辻村深月さんはこういう作品を書かれる方なんだなと思ったのですが、その認識で合っているのかな?
もう1冊くらい読んで確認してみたいところです。
物語は高校生の芦沢理帆子を描いていますが、プロローグでは父・光のあとを継いでカメラマンになった理帆子が描かれています。
賞を取った作品は、男性を写したものだったようですが、このモデルが誰なのか?ということも、頭の片隅で考えながら読み進めることになります。
また、作品の中では、「SF」という言葉がたびたび登場します。
「SF」というと「サイエンス・フィクション」の略ですが、藤子・F・不二雄は、「少し不思議な物語:Sukoshi Fushigi」の略だという言葉を遺されているそうです。
これにならって、理帆子が関わる人達を、「すこし・ファインディング」だとか「すこし・フリー」などと表現していき、これが最後に大きな意味を持つことになります。
さらに、各章のタイトルにはドラえもんの秘密道具の名前がつけられるなど、ドラえもん愛に溢れた内容となっていました。
ミステリ以外の本は読み慣れないので、良い作品なのかどうかはよくわからない部分がありますが、最後まで楽しく読めたので、良い作品だったんだろうと思います。
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