海堂尊さんの『チーム・バチスタの栄光』を読みました。

 



東城大学医学部付属病院の不定愁訴外来、通称愚痴外来を担当する田口医師は、病院長の高階から呼び出される。
病院内で行われている左心室縮小形成術、通称「バチスタ手術」は、開始以降26例続けて成功していたが、最近になって立て続けに3例失敗しているという。
バチスタ手術を担当するチーム・バチスタのトップ・桐生医師が、失敗の原因がわからないため、第3者の目で手術を見てもらいたいと申し出、そのお鉢が田口に回ってきたのだった。


ずっと気にはなっていたのですが、手を出していなかった作品です。

もっと医学寄りの作品かと思っていたのですが、思っていたよりミステリ。
ひょっとしたら、医師でなくても書けるんじゃないの?って思うくらい、ハードルの低い作品になっています。

起承転結がつけられた構成になっているのですが、転の部分を事象ではなく、新たな登場人物の出現によって作られているところが面白いなぁと思いました。
ただ、その白鳥が曲者。
こいつが出てくるのなら、続編は読みたくないなって思うくらい(いや、途中で本を閉じようかと思ったくらい)嫌なやつ。
現実世界でこんなやつと一緒になったら、発狂してしまうわと思うくらい、読むのが嫌になったのですが、読んでしまうとそんな気持ちが薄れてしまっているのが不思議。

癖の強いキャラクターが揃っていますが、それらをうまく操っているなぁと感じました。

犯人、ならびにその手法については、私の予想どおり。
ミステリとして読むには少し物足りなさを感じるかも知れませんが、枝葉末節まで趣向を凝らした作品だと感じました。

 

 

 

 

 


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