東野圭吾さんの『どちらかが彼女を殺した』を読みました。
高校卒業後、愛知県の実家を出て東京へやってきた和泉園子に、年下の彼氏ができた。
しかし、親友の弓場佳世子に彼氏の佃潤一を紹介すると、佃は園子を捨てて佳世子と付き合うことに。
園子は兄の康正に、「お兄ちゃん以外、誰も信用できなくなっちゃった」と電話で言ったのち、連絡が取れなくなってしまった。
上京して園子の部屋に入った康正は園子の死体を見つけ、殺人だと確信するが、警察を呼ぶ前に自殺に見せかける細工を行い、自らの手で事件を暴くと決心する。
「加賀恭一郎シリーズ」の3作目です。
以前読んだことがあったのですが、加賀恭一郎そのものを知らないときに読んだので、改めて「加賀恭一郎シリーズ」の1冊として読み返してみました。
すると、ずいぶんと印象が違う。
以前読んだときは、加賀恭一郎はほんの脇役といったイメージだったのですが、ずいぶんと重要な役割を演じていますね。
この作品、犯人が名指しされない犯人当てものになっています。
文庫版では、巻末に「推理の手引き」が用意されているので、それを読めばどちらが犯人だったかを推理することはできるのですが、なかなか難しい問題になっています。
他にも同様の作品はありますが、究極の「読者への挑戦状」ですね。
1回目に読んだときも犯人がわからなかったのですが、2回目の今回もわからず…
アレがキーポイントになっているんだろうなってところまではわかったのですが、その先の情報収集能力が足りていませんでした。
ちなみに、文庫化されるときに重要なひと言が削除されてしまい、問題が難しくなったそうです。
「加賀恭一郎シリーズ」の5作目として、『私が彼を殺した』があるのですが、こちらも犯人当てもの。
『私が彼を殺した』では、容疑者が2人から3人に増えています。
でも、こちらの犯人は私にもわかったので、難易度としては低いんじゃないかなぁと思うのですが、犯人がわかったからそう思えるだけでしょうか?
過去の「東野圭吾」記事
過去の「加賀恭一郎シリーズ」記事