東野圭吾さんの『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を読みました。

 

 


悪事を働いた3人組は、逃走用の車が故障し、近くの廃屋に身を隠した。
そこはかつて雑貨屋だったようだが、3人が身を隠してから間もなく、表のシャッターの郵便口から1通の手紙が差し込まれた。
封を開けると、月のウサギを名乗る人物からの相談だった。
かつての店主・浪矢雄治は、悩み相談に応じており、月のウサギも浪矢への相談が目的らしい。
3人は、浪矢に代わって月のウサギへの返事を書くが、その直後、1つめの奇蹟が起きる。


雑貨店1つをまるごとタイムマシンにしてしまうという奇抜な作品です。
科学では立証できないことを、自然と読者に受け入れさせる、東野圭吾さんらしい作品だと感じました。
返事を書いた後、一瞬で次の手紙が投函されるのに、返事を書くのに時間がかかっても、手紙が投函された翌日に相手に届く。そんな時空のゆがみがあるような気がしてならないのですが、それさえも違和感をほとんど感じさせない筆力に舌を巻きます。

5章に分かれていて、それぞれが違った悩みに関する相談となっていますが、それぞれに関係が生まれてくる点は、『新参者』に似ているなと思いました。
個人的には、第2章が好きです。
最後の節を読んだとき、思わず鳥肌が立ってしまいました。

最後は、十分に"衝撃"だったのですが、私の頭の中にはもっと"衝撃のラスト"が思い浮かんでいたので、ちょっと感動を味わいそびれてしまったかな?と、感じました。
まぁ、私の頭に思い浮かんだのは、確かに"衝撃"なのですが、ちょっと無理がある話。
東野圭吾さんが用意した結末は、未来を感じさせる良い話なので、こちらが正解だったのでしょう。

SFが入り混じった話ですが、それが気にならない方であれば、オススメの1冊です。

 

 


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