「もうそろそろ行けるんとちゃう。」

 

畑から声が聞こえてきました。

 

声は、大きなキュウリの葉の間から聞こえてきました。

 

葉をよけてみると・・・・まだ花のついたキュウリが。

 

「もういけるって・・・。まだまだでしょ。」

 

キュウリさん「花が咲いているうちに収穫しないとね。」

 

「えー、花が咲いているうちに、収穫してしまうんですか。もったいないです。」

 

キュウリさん「花が咲いているうちにしか値打ち出ませんよ。」

 

「あー、それはもしかして・・・・花丸・・・。」

 

キュウリさん「正解です。大きくして収穫するのと、1本の値打ちは変わらないことも・・・。」

 

「でも、普通の家では使えないですよ。」

 

キュウリさん「まあ確かにね。でもこれだけイボのとげがはっきり残っているのは、新鮮な証拠でしょ。」

 

「とげなんですか・・・イボの先から出ている毛のようなものは。」

 

キュウリさん「小さなキュウリが食べられないように、とげだらけになっているんですけどね。」

 

「今はただの毛のように見えますね。」

 

キュウリさん「本当にとげのように、刺さるのであれば・・・花丸キュウリはだめでしょ。」