「ほんまに、さむいでぇ。」

 

冷え込みがきつい朝、畑から声が聞こえてきました。

 

畑を覗くと・・・真っ白です。

 

近づいていくと・・・ホウレンソウが・・・真っ白に。

 

「本当に寒そうですよね。」

 

ホウレンソウさん「寒いに決まってるやろ。」

 

「でもよく凍りませんね。」

 

ホウレンソウさん「そら凍らんように、努力してかからな。

ただ、生えてるだけちゃうでぇ。大事なんは、影の努力や。」

 

「努力ですか・・・・。」

 

ホウレンソウさん「見てるだけではわからんけど、食べたらわかるわ。」

 

「食べないとわかりませんか・・・・。」

 

ホウレンソウさん「わからんね。まあ、

見かけは大したことないけど・・・。

食べたらわかる。ヒントは寒締めという言葉やね。」

 

「なんか、聞いたことありますね。寒締めほうれん・・・。

わかりました。糖分濃度をあげて、凍らないようにしている・・・。」

 

ほうれんそうさん「正解や。ただ、最近は途中までハウスで育って、

最後だけ、寒さにあててられてという寒締めとはちゃうで。

露地で育って、寒さに耐えて・・・ほんまもんやで。」

 

そう言われれば・・・・そうですけどね。

 

とり遅れの畑に放置された、ほうれんそうさんは・・・・逞しい。