久しぶりのブログは韓国語の勉強についてのお話です。
日本に引っ越してきて早3年半。
コロナで出張がなくなり、時間ができたので久しぶりに勉強しました。
1)ハングル能力検定
TOPIK(韓国語能力試験)、通訳案内士と並んで、韓国語を勉強してある程度のレベルになった日本語ネイティブや日本語が上手な韓国語ネイティブが目指す試験が、この「ハングル能力検定(ハン検)」です。
ハン検は5級が初級で1級まであり、おそらく韓国語試験の難易度として最難関となるのがハン検の1級だと思います。
私はTOPIK最上級の6級を過去に2回合格(既に2年の有効期限が切れているのでまた受けなければ!)、そして通訳案内士は2009年度に合格済みだったので、このハン検1級に合格すれば日本語ネイティブが取れる韓国語資格コンプリート!です。
2)試験対策
本来は今年3月の試験を受ける予定でした。
それがコロナで中止になってしまい、そのまま11月の受験となりました。
3月下旬に申し込み、4月から少しずつ過去問を読み始めました。
最初はほとんど解けなかったので、正答を見ながらNAVERで検索していきました。
そうこうしているうちに6月試験中止の連絡。
モチベーション維持は難しく、勉強する時間は少なくなっていきました。
初期に勉強していたのは、新聞の社説でした。
毎日経済新聞の社説を丸ごとノートに写し、音読して意味の確認。
これは内容を情報として取り込むぐらいの効果で、語彙の増加にはつながりませんでした。
そして、リスニング問題を移動中にシャドウイング。
これは試験問題に慣れるという意味では効果はあったかも。
でも、その程度ではハン検1級の壁は越えられるはずもなく。
11月の試験は実施されることが決まり、9月から勉強を再開しました。
このときの計算では、過去問5周で合格圏に入る!でした。
過去問4回分を週に一つずつ、5週間で間に合うと思っていました。
9月の下旬からは在宅勤務の日と週末に合わせて週に3-4回、近所のファミレスに通って(どうしても家で勉強できないので、お金はかかるけど仕方ない)時間を計って過去問を解いて答え合わせするルーティーンを繰り返しました。
3周目ぐらいからは答えを覚えてしまうので80点を超えてきます(合格ラインは70点)。
ただ、結局5周しても満点はとれませんでした。
この辺が短期記憶の限界か!?それとも歳のせいか!?
単語ひとつ覚える間にふたつ忘れる!笑
(通い詰めたファミレス。試験後、閉店してしまいました)
出社の日や、移動時間にはハングル能力検定協会の模擬試験サイト「ヨボセヨ!ハン検」で4択問題のみを繰り返し解き、知らなかった表現をメモしました。
(ヨボセヨハン検リンク)
これもやりこんでいくと同じ問題が出るので、ときどきは全10問正解になりますが、やっぱり初めての問題では知らない語彙があると間違えます。
知らなくても答えを類推できる問題もあるにはあるけど、知らないと解けない問題の方が多いでしょう。
途中からは過去問だけやっていても効率が悪いと思って、ヨボセヨハン検にも力を入れました。
10問1セットを3回やって、答え合わせを含めると3時間ぐらいあっという間でした。
結果的に過去問4回分5周とヨボセヨハン検を20-30セットをこなしたところで、
試験当日を迎えました。
(試験会場にて。4人だから密にならない!)
3)試験本番
試験本番では、過去問やヨボセヨハン検でやりこんだから解けた問題もそれなりにあったものの、やったはずなのに思い出せない問題がかなりありました。
特に注意すべきは「選択肢の中で正答でなかったものが別の形で登場」するタイプの問題でした。
これは過去問やヨボセヨハン検を解いていくなかで気づいていたことではありましたが、詰めが甘かったのか、単純に記憶力が弱ってきているからか、曖昧な理解のままで終わっていたものはことごとく間違えました。
リスニングは、普段接することが少ない分野だと途端に聞こえづらくなります。
今回は「中国の韓流」「色と季節」「ダーウィンの進化論」が聞き取りづらく、やはり間違えました。
書き取りは、知らない言葉が出たらほぼアウトです。
聞いたとおりに書いて当たった問題はありませんでした。
これは耳の問題でもあり、話し方のサンプル数が足りない、または日本に来てから減ってきている証拠です。
4)今後の対策
結果的に65点で5点も足りず、それなりに計画的な勉強をこなした割に残念な点数になってしまいました。
次回、また同じぐらいの勉強時間を確保することができるかはかなり不透明なので、とりあえずは少し休憩、その後は来年6月に向けてもう少し時間をかけて準備しようと思います。
時間をかけて準備する理由として、直前に詰め込む「短期記憶」ではもはや対応しきれないと実感したからです。
時間をかけて繰り返し確認することで「長期記憶」に定着させることが、応用問題に対応するための必要条件なのではないかと思います。
また、ハン検1級をとることは「韓国語試験コンプリート」という意味ではそれ自体にも意義があるでしょうが、本来は「韓国語をより自由自在に操る」「コミュニケーションを円滑かつ確実にする」さらには「日韓ブリッジとしての業務に活かす」ための手段、あるいは指標といえます。
そう考えるとできなくても良い問題などなく、満点をとれるぐらいに理解度を高めなければなりません。
だからこそ、ハン検1級をとるために過去問やヨボセヨハン検だけに頼るのではなく、実生活で少しでも試験に出そうな韓国語に触れることが大切だと思います。
既に1級を取得した方、または勉強中の方はご存じでしょうが、ハン検1級に出てくる語彙は日常生活であまり使わない言葉の方が多いので、こちらからそういう分野の韓国語にアプローチする必要があります。
とりあえず、文学作品にヒントがありそうなので、小説などを読んでみようと思います。
試験と実生活をつなぐことが、理解を深める(長期記憶として定着させる)近道になりそうです。
私は本格的に韓国語を学び始めたのが27歳のときで、周囲の韓国語を生業とする方々より遅くスタートした分だけ、ややショートカットして勉強しました。
なかでも文芸の分野はほぼスルーしてきていて、この部分がハン検1級で足を引っ張ったのは間違いありません。
文芸韓国語をしっかり勉強すればかなりパワーアップできるはず。
韓国語で仕事をするようになってから12年が過ぎ、どこかで「自分は韓国語うまい」と驕っていた部分があったはずです。
いくらプロとして仕事をしていても、実力はまだまだ。
もっと勉強します。
勉強は終わりません。
終わらないのであれば、楽しみたい!