二日連続で前の日のBlogのつながりです。
実はこの話題、前々から温めていまして… どこかで出そうと。
昨日「浮くのは分かるが、なぜあの動きが出来る?」と書きましたが
私の周りにも あの鉄の塊みたいな飛行機が浮くのが解らない、だから飛行機はイヤだ。
と言う人はいます。
じゃあ なぜ飛行機は飛べるのか、その辺を解りやすくご説明しましょう、
皆さんで実験して体験して頂くのが一番ですから。
用意して頂くのはスプーン2本、カレーを食べる時に使うようなカーブの緩やかな物と、
それよりカーブの強いティースプーンを2本用意してください。
飛行機が浮くのは「ベルヌーイの定理」と言うものでして まあ難しく考える前にスプーン2本持って台所へ。
台所の水道から水を出してください、そこにカレースプーンの先端を軽くつまんで「背」の部分を
そー… っと水に付けてください、 そーすると…、
水に触れた瞬間に水の流れに吸い寄せられるような力がかかると思います、これが「揚力」。
今度は同じ水の流れでティースプーンに持ち替えて…、カレースプーンよりも強い力で吸い寄せられます。
これは翼断面形状によって発生する揚力の違い。
じゃあ 今度は水の流れはそのままでカレースプーンでやってみて吸い寄せられる力を覚えておいて、
水の流れの強さを強くしてみてください、そうすると同じカレースプーンでも水流の違いで強さが変わる。
これは速度の違いによる揚力の違い。
この時スプーンの背の部分が翼の上の部分になるので、飛行機は上に吊り上げられる力がかかる。
これらのそれぞれの組み合わせでB747-400ERジャンボジェットで最大離陸重量400tを超えるような
重量でも空気の力でモノを浮きあがさせる事が出来るのです。
まったく逆の動きに使うのが車のレースの車体構造。
スポーツカーの車の横から見た形をイメージしてください、あれそのまま翼の構造です
車速を上げれば当然揚力が発生します、そのままにしておくと車が浮いてハンドリング悪くなります、
そのためにトランクの部分に小さな突起を付けて正常な空気の流れを乱してやるのがスポイラーです。
F-1等のフォーミュラーカーは車体構造そのものやウイング形状を飛行機の翼と逆の作りにして積極的に
路面に車を押し付ける力がかかるようにします、これがダウンフォースとなります。
あめのむらくもの物理のお時間でした(笑)
で なぜ「浮くのは分かるが、なぜあの動きが出来る?」となるかと言うと
翼の形をしたものを頭の上でブンブン回せば浮力が出来るから機体は浮き上がる、
その浮力の向きを変える事で進行方向を変えている…、ここまではわかりますが…。
… どうやって? まず下の写真を見てください、これは海上自衛隊のヘリのローターの付け根の部分。
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/aircraft/yusou/details/mh-53e.html
このローターを前向きに傾ければ上向きのベクトルがやや前向きになって傾いた分の合成ベクトルが
推進力になるとわかりますが…、ローターの1本のアップの写真見てください
回転軸だけでつながったものでどうやったらこれだけの油圧パイプが必要になるのか…、
しかもこれ単純に回転しているだけではなくてプロペラピッチは変わるわ回転軸すら変わるのよ、
もー こうなると何がどうしてどう動くのか…。
車のエンジンは吸気排気バルブの動きとそれに対応するピストンの動き、
コンロッドがクランクシャフトを回してクラッチを介してギヤボックスで噛み合って
ドライブシャフトからデフレンシャルギアを通ってタイヤにと言うのがアニメーションで
頭の中に描くことができますが、
時計とヘリコプターはこの辺のそれぞれの部品の動きと向きが頭の中でイメージ出来ないのです。
昔 「地下鉄の電車はどこから入れているのでしょう、それ考えると夜も眠れません」
という漫才がありましたが、似たような状態になりますので… 考えません(笑)
好きな事も過ぎたところまで行くと精神に良くありません、
では皆さんお休みなさい (^-^)ノ~~