利用許諾契約当事者の注意義務(相手方の利用許諾権限の有無を確認する注意義務があるとした事例)

 

▶平成28年2月16日東京地方裁判所[平成25(ワ)33167]▶平成28年11月2日知的財産高等裁判所[平成28(ネ)10029等]

イ 被告スペースについて

第三者が著作権や著作隣接権を有する著作物の利用について契約を締結する場合,当該契約の相手方が当該著作物の利用を許諾する権限を有していなければ,当該契約を締結しても当該著作物を利用することはできない。

したがって,当該契約の当事者としては,相手方の利用許諾権限の有無を確認する注意義務があるというべきであり,これを怠って当該著作物を利用した場合,当該第三者に対する不法行為責任を免れないと解される。

これを本件についてみるに,被告スペースは,本件再委託契約の締結時において,被告タッズがレコード製作者及び実演家の各著作隣接権を有しないことを認識していたと認められるところ,被告スペースらは,被告タッズの利用許諾権限に疑義等を抱かしめるような事情はなかったと主張するのみで,被告スペースにおいて,著作隣接権者に問い合わせ,又は本件契約書を確認するなどの方法によって,本件CD及び本件楽曲についての被告タッズの利用許諾権限を確認した等の主張はないし,証拠上もこうした事実を認めることはできない。

そうすると,被告スペースは,本件CDの無断レンタルや本件楽曲の無断配信について少なくとも過失があると認められるから,原告ノアに対し,被告タッズらとの共同不法行為が成立する。

[控訴審同旨]

 

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