著作権侵害に基づく損害賠償請求の消滅時効を認定した事例
▶平成23年7月11日東京地方裁判所[平成21(ワ)10932]▶平成24年2月28日知的財産高等裁判所[平成23(ネ)10047]
5 消滅時効の成否(争点(4))について
(1) 民法724条にいう「損害及び加害者を知った時」とは,被害者において,加害者に対する賠償請求が事実上可能な状況の下に,その可能な程度にこれらを知った時を意味するものと解するのが相当である(最高裁平成14年1月29日第三小法廷判決,最高裁昭和48年11月16日第二小法廷判決参照)。
これを本件についてみるに,原告は,被告に対し,平成18年2月21日付け本件告知書をもって,「貴社が当社の授権なしに日本国内において『世界自然文化遺産』(中国部分)を出版,発行した事実に鑑み,当社はプログラムの合法版権所有者として貴社に対し告知をいたします。貴社が日本国内において当プログラムを発行する行為は当社の権益を侵した可能性があります。」などと告知したのであるから,原告は,遅くとも同日までには,被告が原告の利用許諾を得ないで被告各DVDを販売したことを認識していたと認められ,被告に対する賠償請求が事実上可能な状況の下に,その可能な程度にこれらを知ったというべきである。
(略)
そうすると,本件訴訟が提起された平成21年4月3日においては,上記①及び②については,不法行為に基づく損害賠償請求に係る消滅時効の時効期間が経過していたというべきである(上記③については経過していない。)。
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