【譲渡権】著作権法第26条の2の解説です 2/3
譲渡権の消尽(2項各号)
譲渡権は、国の内外を問わずいったん適法に譲渡された著作物の原作品又は複製物について、その後さらにそれを公衆に譲渡する行為には及びません(2項各号)。これを、「譲渡権の消尽」といいます。少々難しい用語ですが、著作物をその原作品又は複製物といった有体物の形態で適法に譲渡した場合には、その有体物については権利の目的が達成されたものとして、当該有体物をそれ以後に譲渡しても(転売や中古販売しても)、そこに化体した著作物には当該譲渡権の効力が及ばなくなる、という考え方を意味しています。このように、適法な譲渡後に譲渡権の消尽を認めることは、国際的にも了解されています(WIPO著作権条約6条**(2)参照)。
**WIPO著作権条約6条(譲渡権)
(1) 文学的及び美術的著作物の著作者は、その著作物の原作品及び複製物を、販売その他の所有権の譲渡を通して、公衆に提供することを許諾する排他独占的権利を享受する。
(2) この条約のいかなる規定も、著作物の原作品又は複製物について、当該著作者の許諾をもって最初に販売その他の所有権の譲渡が行われた場合に、その最初の譲渡の後に第1項の権利が消尽するために適用される条件を、もしそのような条件があれば、締約国がこれを定める自由に影響を及ぼしてはならない。
《原文》
Article 6(Right of Distribution)
(1) Authors of literary and artistic works shall enjoy the exclusive right of authorizing the making available to the public of the original and copies of their works through sale or other transfer of ownership.
(2) Nothing in this Treaty shall affect the freedom of Contracting Parties to determine the conditions, if any, under which the exhaustion of the right in paragraph (1) applies after the first sale or other transfer of ownership of the original or a copy of the work with the authorization of the author.
「譲渡権の消尽」(いわゆる”ファースト・セール・ドクトリン(the first sale doctrine”)が一般的に承認される趣旨は、商品取引の安全と円滑な流通の確保にあると言えますが、この点については、最高裁判例(平成14年4月25日最高裁判所第一小法廷[平成13(受)952等])を参照してください。なお、譲渡権が消尽したか否かは、著作物が化体した有体物の1つ1つについて判断されるものであって、ある複製物について譲渡権が消尽したからといって、いまだ適法に公衆への譲渡が行われていない別の複製物について自動的に譲渡権が消尽するものではありません。この点、注意してください。
【より詳しい情報→】http://www.kls-law.org/