ウサギを擬人化したキャラクターのイラスト・動画の著作物性を認定した事例

 

▶令和5年3月9日知的財産高等裁判所[令和4(ネ)10100]

2 争点1(本件ツイートの投稿により控訴人の権利が侵害されたことが明らかであるか)について

(1) 控訴人イラストの著作物性

ア 著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいうところ(著作権法2条1項1号)、思想又は感情を創作的に表現したものであるといえるためには、創作者の個性が何らかの形で発揮されていれば足りると解するのが相当である。

イ これを本件についてみるに、証拠によると、控訴人イラストは、控訴人キャラクターのイラストであるところ、頭頂部からウサギの耳のような形状の耳が生え、左側頭部の三つ編みの上部、右側頭部の三つ編みの下部及び左腰部のポケットにそれぞれにんじんが1本ずつ挟まり、首元にウサギを模したマフラーないしショールを身につけているなど、ウサギを擬人化したような特徴的なデザインとなっているものと認められる。そうすると、控訴人イラストは、創作者の個性が発揮されているということができるから、思想又は感情を創作的に表現したものに該当する。なお、控訴人イラストが美術の範囲に属するものであることは、その内容に照らし、明らかである。

以上のとおりであるから、控訴人イラストは、著作物に該当する。

(2) 控訴人動画の著作物性

証拠及び弁論の全趣旨によると、控訴人動画は、控訴人イラストを映像化したものであると認められるところ、前記(1)において説示したところに照らすと、控訴人動画も、著作物に該当するといえる。

【より詳しい情報→】http://www.kls-law.org/