著作権に基づく差止請求の準拠法

 

▶平成16年05月31日東京地方裁判所[平成14(ワ)26832]

1 準拠法について

我が国及び中国は,文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約(昭和50年条約第4号。以下「ベルヌ条約」という。)の同盟国であるところ,本件詩は,中国人であるAが著作者であり,中国において最初に発行された著作物であるから,中国を本国とし,中国の法令の定めるところにより保護されるとともに(ベルヌ条約2条(1),3条(1),5条(3)(4)),我が国においても,我が国の著作権法による保護を受ける(著作権法6条3号,ベルヌ条約5条(1))。そこで,本件各請求がいずれの国の法律を準拠法とするのかについて検討する。

(1) まず,著作権に基づく差止請求は,著作権の排他的効力に基づく,著作権を保全するための救済方法というべきであるから,その法律関係の性質を著作権を保全するための救済方法と決定すべきである。著作権を保全するための救済方法の準拠法に関しては,ベルヌ条約5条(2)により,保護が要求される国の法令の定めるところによると解するのが相当である。本件において保護が要求される国は,我が国であり,上記差止請求については,我が国の法律を準拠法とすべきである。

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