【編集著作物】著作権法第13条の解説です 3/3

 

▶適法要件について

 

旧法下では、編集著作物がその全体で保護されるためには、他人の著作物を「適法ニ」編集していなければなりませんでした(旧著作権法14条参照)。これに対し、現行法では、このような適法要件は設けられていないため、「素材」として選択等された個々の著作物の著作権者に無断で作成された編集著作物であっても著作権法による保護を受けることができます。もっとも、当該編集著作物の利用に当たっては、その無断で収録された他人(個々の著作物の著作権者)の許諾なしに行うことはできません(無断利用をすれば、当該他人の著作権を侵害することになります)ので、結局、他人の著作物を自己の編集著作物の素材として収録する場合には、事前に当該他人の許諾を得ておくことが賢明であるといえます。

 

▶裁判例:平成12年11月30日東京高等裁判所[平成10(ネ)3676]

著作権法によって保護されるのが、「表現したもの」すなわち現実になされた具体的な表現のみであることからすれば、思想又は感情自体に保護が及ぶことがあり得ないのはもちろん、思想又は感情を創作的に表現するに当たって採用された手法や表現を生み出す本(もと)になったアイデア(着想)も、それ自体としては保護の対象とはなり得ないものというべきである。そして、この理は、対象が編集著作物であっても同様であると解すべきである。

すなわち、著作権法は、編集著作物について、「編集物(データベースに該当するものを除く。以下同じ。)でその素材の選択又は配列によって創作性を有するものは、著作物として保護する。」(12条1項)と規定しているものの、編集物もまた、「著作物」の一種にほかならず、そこでは、著作物性の根拠となる創作性の所在が素材の選択又は配列に求められているというだけで、前述した「著作物」の意義に鑑みれば、たとい素材の選択又は配列に関する「思想又は感情」あるいはその表現手法ないしアイデアに創作性があったとしても、それが「思想又は感情」あるいは表現手法ないしアイデア(以下、これらをまとめて「発想」ということがある。)の範囲にとどまる限りは、著作権法の保護を受けるものではなく、素材の選択又は配列が現実のものとして具体的に表現されて、はじめて、表現された限りにおいて、著作権法の保護の対象となるものと解すべきである。逆に、編集著作物にあっては、その素材の選択又は配列に関する発想において創作性を有しなくても、これに基づく現実の具体的な素材の選択又は配列に何らかの創作性が認められるなら、その限りにおいて著作権法の保護を受け得ることになるのである。

【より詳しい情報→】http://www.kls-law.org/