『AIによって生成される作品は著作権によって保護されるか~わが国の考え方~ 2/2』

 

もう少し、具体的に見ていきましょう。

 

『AIが自律的に生成したものは、 「思想又は感情を創作的に表現したもの」ではなく、著作物に該当しな

いと考えられます。』

例えば、「人が何ら指示(プロンプト等)を与えず(又は簡単な指示を与えるにとどまり)「生成」のボタンを押すだけでAIが生成したもの」は、「著作物」に当たりません。

 

一方、

 

『人が思想感情を創作的に表現するための「道具」としてAIを使用したものと認められれば、著作物に該当し、AI利用者が著作者となると考えられます。』『人がAIを「道具」として使用したといえるか否かは、人の「創作意図」があるか、及び、人が「創作的寄与」と認められる行為を行ったか、によって判断されます。』

ここで、「創作意図」とは、「思想又は感情を、ある結果物として表現しようとする意図」を指します。この点、『創作意図は、生成のためにAIを使用する事実行為から通常推認しうるものであり、また、具体的な結果物の態様についてあらかじめ確定的な意図を有することまでは要求されず、当初の段階では、「AIを使用して自らの個性の表れとみられる何らかの表現を有する結果物を作る」という程度の意図があれば足りると考えられます。』と解説されています。

 

実際どのような行為が「創作的寄与」と認められるかについては、今後、裁判例等を通じて個々の事例に応じて判断することが必要になるものと考えられますが、「生成のためにAIを使用する一連の過程を総合的に評価」する必要があると考えられています。

AI生成物の著作物性と創作的寄与の関係については、AI技術の進展に注視しながら、具体的な事例に即して引き続き検討していくことになるでしょう。本セミナーは、『今後、この「創作的寄与」についても、文化庁として考え方を整理し、周知を進めていきます。』と締めくくっています。

AK

【より詳しい情報→】http://www.kls-law.org/