【二次的著作物の保護】著作権法第11条の解説です 2/2

 

著作権法第11条は、上述したように、二次的著作物に対する保護は、原著作物に対する保護とは独立したものであることを前提として、二次的著作物に対する保護とその原著作物に対する保護とはそれぞれ別個のものであることを注意的に規定したものです。二次的著作物は、原著作物に依拠しているとはいえ、そこに新たな創作性が付加されて作成されるもので、原著作物とは別個の著作物ですから、原著作物とは区別して独立して保護されることになります。例えば、二次的著作物と原著作物の保護期間は、それぞれ別個に計算され、二次的著作物の保護期間が原著作物の存続期間(の残存期間)に従属することはありません**。

**(注) もっとも、次の最高裁判例<平成9年7月17日 最高裁判所第一小法廷[平成4(オ)1443]>を参照:『二次的著作物の著作権は、二次的著作物において新たに付与された創作的部分のみについて生じ、原著作物と共通しその実質を同じくする部分には生じないと解するのが相当である。けだし、二次的著作物が原著作物から独立した別個の著作物として著作権法上の保護を受けるのは、原著作物に新たな創作的要素が付与されているためであって(同法2条1項11号参照)、二次的著作物のうち原著作物と共通する部分は、何ら新たな創作的要素を含むものではなく、別個の著作物として保護すべき理由がないからである。』

 

二次的著作物の著作権者であっても、原著作物の著作権者の許諾なく当該二次的著作物を利用することは許されないと解されます。原著作物の著作権者は、二次的著作物の利用に関して、当該二次的著作物の著作者と同じ内容の権利を有することになるためです(28条参照)。そのため、また、二次的著作物の利用を欲する者は、当該二次的著作物の著作権者のみならず、その原著作物の著作権者の許諾をも得ておく必要があります。なお、原著作物の著作権者は、二次的著作物の著作権者の許諾なく当該原著作物を利用することができますが、原著作物の著作権者が、二次的著作物の著作権者の許諾なく「当該二次的著作物」を利用することができるかについては、否定的に(原著作物の著作権者であっても、当然には当該二次的著作物を自由に利用することはできないと)解されます。

 

二次的著作物を巡る権利関係及び利用関係は、時として、非常に複雑になります。そのため、他人の原著作物を利用して二次的著作物を創作し、さらにそれを利用しようとする場合には、当事者間で事前にしっかりとした話し合いをして、約束事項を書面にしておくことが賢明であると言えます。

【より詳しい情報→】http://www.kls-law.org/