【同一性保持権】著作権法第20条を解説します。2/3

 

▶「パロディー」は同一性保持権を侵害するか

 

「複製」(21条参照)はもちろんのこと、「翻案」(27条参照)にも該当せず、したがって、著作権の侵害行為にならない行為を同一性保持権の侵害行為と認定することは妥当ではありません。そのため、他人の著作物を自己の著作物に取り込んで利用したとしても、その表現形式上の本質的な特徴を直接感得させないような態様でこれを利用する行為は、当該他人の著作物の同一性保持権を侵害しないと解されます。一方、著作物Bが著作物Aとは別個の思想・感情を表現するに至っていると見られる場合でも、なお著作物Bから著作物Aの本質的な特徴自体を直接感得しうるものであるときは、著作物Aを著作物Bに一体的に取り込んで利用する行為は、著作物Aについての同一性保持権を侵害する改変である、とする最高裁の判例があります(昭和55年3月28日最高裁判所第三小法廷[昭和51(オ)923]参照)。いわゆる「パロディー」は、著作者の同意を得ない限り(自分の著作物のパロディーに同意を与える著作者はあまりいないと思いますが…)、一般的には同一性保持権を侵害する行為であると解されます。

 

▶題号の改変にも同一性保持権は及ぶ

 

著作物の「題号」(タイトル)そのものは通常「著作物」(2条1項1号)に該当しないため、これに著作権が発生することはありませんが、一方で、著作物の題号は、当該著作物と結合して一体となって著作物の同一性を表象する役割を担います。そのため、小説や音楽などの題号の無断改変も同一性保持権の侵害になりうる点に注意してください。

裁判例の中には、ゲームソフトのタイトルを『毎日がすぷらった』⇒『まいにちがすぷらった!』に変更した行為を題号の改変に当たると認定したものがあります(平成13年08月30日大阪地方裁判所[平成12(ワ)10231]参照)。

【より詳しい情報→】http://www.kls-law.org/