氏名表示権侵害の成否につき、参考文献の記載だけでは足りないとした事例 | 著作権コンサルタントが伝えたいこと

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氏名表示権侵害の成否につき、参考文献の記載だけでは足りないとした事例

 

▶平成19年01月18日東京地方裁判所[平成18(ワ)10367]

(2) 争点2-2(氏名表示権侵害の成否)について

ア 被告Bは,本件原著の二次的著作物である本件論文を公表する際,本件原著の共同著作者である原告に無断で,被告Bのみを本件論文の著作者であると表示したにすぎず,本件原著の共同著作者として原告の氏名を表示しなかったのであるから,原告の氏名表示権が侵害されたものと認められる。

イ 被告Bは,本件論文に本件記載があることをもって,本件原著が原告及び被告Bの共同著作物である旨について明示しており,氏名表示権を侵害するものではないと主張する。しかし,先に述べたとおり,本件記載は,本件原著が本件論文の参考文献の一つであること,本件論文が本件原著に「基づいている」こと,証明等について本件原著を参照してほしい旨を示すものにすぎず,本件原著の共同著作者が原告であることを意味する記載であるということは到底できない。

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