グーグルへの動画の削除要請通知の不法行為性

 

▶令和5年8月25日東京地方裁判所[令和4(ワ)7920]

(2) グーグルは、ユーチューブの利用について、コンテンツが第三者に損害を及ぼす可能性があると合理的に判断する場合、独自の裁量によりコンテンツを削除する権利を留保するという規約を定めていた。また、グーグルは、ユーチューブにおける著作権侵害について(前記)のとおりのポリシーをとっていて、グーグルに対していわゆるノーティスアンドテイクダウンで定められている要件を満たした通知がされた場合、コンテンツが第三者に損害を及ぼす可能性があると合理的に判断できるとして、コンテンツを削除することがあったといえる。

他方、作成した動画をユーチューブに投稿し、これを公開して広くその内容を伝える行為は、投稿者が行う表現活動や事業活動に関わり得るものであって、その動画が削除されることで表現活動や事業活動が制限され、投稿者の法律上保護される利益が害される場合があるといえる。ユーチューブの利用については、上記の規約があり、また、グーグルには著作権侵害についての前記のポリシーがあるところ、権利侵害の通知を行う者が著作権侵害がないにもかかわらず侵害がされているという情報をグーグルに通知して、それによってグーグルが動画を削除した場合、権利侵害がないにもかかわらず動画を削除されるに至った者は、本来動画を削除される理由がなくそれが削除され法律上保護される利益を害されたといえる場合があるといえる。これらによれば、グーグルに対して権利侵害の通知を行うことは、その内容や態様により、投稿者の法律上保護される利益を害する違法な行為となる場合があるといえる。

【より詳しい情報→】http://www.kls-law.org/