『アメリカ著作権制度の全体像 5/5』

 

▶「コモンロー上の著作権」(common law copyright)とは?

 

「コモンロー上の著作権」の意義については、論者によってニュアンスの相違があります。自然権(a natural right)の一種として、「著作物の発行を永久的にコントロールし得る権利」(a perpetual right to control the publication of one’s work)と捉える論者もいます。ここでは、主として、「未発行」の著作物に係る、著作者が当該著作物の最初の発行をコントロールしうる権利と限定的に解釈しておきます。このような解釈の下では、「コモンロー上の著作権」は、いわゆる「第一発行権」(the right of first publication)とほぼ同義になると解されます。

現行著作権法(1976年法)以前においては、各州におけるコモンロー上の著作権(第一発行権)の保護と、発行後の著作物に対する連邦制定法による保護という枠組みが存在していました。これは、1909年制定の連邦著作権法の下では、「発行」されているか否かが連邦制定法による保護の大きなメルクマールとされていたため、「未発行」の著作物に対する保護は、主として各州においてコモンローによって保護しようとしていたものと考えられます。しかしながら、現行著作権法(1976年法)の下では、連邦制定法による保護は、「発行」ではなく、「固定」されているか否かがメルクマールとされたため、現在では、著作権による保護は、発行未発行を問わず、原則として連邦制定法である米国著作権法による一元的な規制を受けることになります。

AK

【より詳しい情報→】http://www.kls-law.org/