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スクリーンショットで作成した画像を添付したツイート投稿の適法引用性を否定した事例

 

▶令和4年12月14日東京地方裁判所[令和4(ワ)8410]

1 争点1(本件ツイート①及び②により原告の権利が侵害されたことが明らかであるか)について

⑴ 著作物性及び著作権の帰属について

ア 本件各キャプションの著作物性について

原告は、本件各キャプションは、それぞれが独立して著作物性を有する言語の著作物であると主張するから以下検討する。

著作物であるといえるためには、「思想又は感情を創作的に表現したもの」(著作権法2条1項1号)である必要がある。そして、本件キャプション⑶ないし⑿は、いずれも原告と国土交通省の担当者の会話のやりとりを素材としたものであり、本件キャプション⑴、⑵、⒀及び⒁は、原告が動画の趣旨を簡潔にまとめたものであるところ、いずれもごく短いもので、ありふれた表現であるといわざるを得ないから、創作性を有するとはいい難く、著作物性は認められない。

イ 本件原投稿の著作物性及び著作権の帰属について

本件原投稿は、原告が、ドライバーの安全を守る活動を通して得られた情報と原告の思いを140文字という文字数制限の中で簡潔にまとめたものであって、幅のある表現の中から選択したものであるといえ、かつ、ありふれた表現であるとはいえないから、原告が自己の「思想又は感情を創作的に表現したもの」(著作権法2条1項1号)として、原告が著作権を有する言語の著作物に該当する。

⑵ 本件原投稿の著作権の侵害について

前記前提事実のとおり、本件投稿者は、本件原投稿をスクリーンショットして作成した本件画像②を添付したツイートを投稿したものであって、これにより、ツイッターのサーバー上に本件画像②を複製し、不特定多数人に自動公衆送信し得る状況を作出したといえるから、原告の本件原投稿に係る複製権及び公衆送信権を侵害したと認められる。

⑶ 引用(著作権法32条1項)の成否について

被告は、本件ツイート②における本件画像②の添付が、原告の主張を批評する目的によるものであり、公正な慣行にも合致し、批評のために必要かつ正当な範囲で行われるものであるから、適法な著作物の利用である旨主張する。

しかし、仮に、本件ツイート②の目的が、本件原投稿の内容を批評する点にあると認められるとしても、本件ツイート②は、その本文よりも添付された本件画像②内に現れた本件原投稿の文章の分量が多く、ツイートの本文が主で本件原投稿の文章が従の関係にあるとはいえない。また、本件原投稿は、言語の著作物であるところ、そこに文字で記載された原告の主張内容を批評するために、本件原投稿をスクリーンショットすることによって作成した本件画像②をそのまま本件ツイート②に添付する必要性があったとまではいい難い。そうすると、本件ツイート②における本件画像②の添付は、少なくとも、本件原投稿の批評という目的上正当な範囲で行われたものとは認められない。

よって、本件ツイート②における本件画像②の添付は、著作権法32条1項の要件を満たさず、本件ツイート②の違法性は阻却されない。

 

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