大阪市の地図に電車の路線図を組み合わせた「地図デザイン」の著作物性を肯定した事例
▶平成27年9月24日大阪地方裁判所[平成25(ワ)1074]
(13) 争点7-1(本件地図デザインの著作物性)について
ア 別紙5の本件地図デザインは,大阪市の地図に電車の路線図を組み合わせたものである。地図は,著作物として挙げられているが(著作権法10条1項6号),既存の地理上の事象を図面に書き込んだものであることから,正確に描くほどその表現には創作性を認める余地が少なくなるものである。しかし,記載すべき情報の取捨選択や表記の方法に作成者の経験,個性が表れており,この点において作成者の思想又は感情が創作的に表現されている場合には,著作物に該当するものといえる。
(略)
ウ 本件地図デザインは,P1が,市販の地図等を参考に大阪市の地形を簡略にデザインしたものであるところ,その全体構成は,公社地図や大阪市全図とほぼ同じであり,大阪市の全体形状を再現したものにすぎず,例えば(証拠)のようにデフォルメされているものではない。したがって,本件地図デザインの創作性の有無は,細部の表現に基づいて検討する必要があるところ,そこでは,比較的詳細な地図である公社地図及び大阪市全図と比べると,全体的に,西側の海岸及び人工島,並びに多くの川の複雑な曲線をある程度簡略にし,大阪市の東側の境の部分も直線的なシンプルな線で描いており,また,河川については,一部の川の記載自体を省略するなどの取捨選択をし,全体的にすっきりとした表現がされていることが認められる。このように,そのシンプルな直線及び曲線の具体的表現及び取捨選択にP1の個性が表れていることからすると,その点において,創作性が認められる。
エ よって,本件地図デザインは,P1の制作した著作物であるといえる。
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