モデルが着用する衣装のコーディネート等の著作物性を否定した事例

 

▶平成26年8月28日知的財産高等裁判所[平成25(ネ)10068]

ア ②着用する衣服の選択及び相互のコーディネート,③装着させるアクセサリーの選択及び相互のコーディネートについて

(ア)  本件映像部分の各場面におけるモデルの衣服,アクセサリー等は原判決別紙映像目録添付の各写真のとおりであり,①「Iline1着目」として黒のレース素材のトップス,豹柄のスカート,黒のベルト,紫色の輪状の耳飾り及び黒のヘッドドレスの組み合わせが,②「Anna2着目」として白地に黒の水玉模様のワンピースに黒のベルト,パールネックレス,ピンクと黒のヘッドドレスの組み合わせが,③「Anna1着目」として緑色のワンピース,銀色の腕輪,黒のヘッドドレスの組み合わせが,④「Izabella2着目」として黒のワンピースと黒のヘッドドレスの組み合わせが,⑤「Tamra2着目」として黒の毛皮のコート,紫色のトップス,黒のスカート,紫色のバッグ,ヘッドドレスの組み合わせがなされていることが認められる。

(イ)  しかし,着用する衣服の選択及び相互のコーディネート及び装着させるアクセサリーの選択及び相互のコーディネートは,その美的要素(外観や見栄えの良さ)について,他の者から見られることが想定されるものであるとしても,本件映像部分の各場面におけるモデルの衣服・アクセサリー等はそのほとんどがファストファッションである「Forever21」製作のものを使用しただけであり,控訴人らのデザインに係リゾートのパーティ等の場面において実用されることを想定するものであり,それ全体が美的鑑賞を目的とするものではなく,また,実用目的のための構成と分離して,美的鑑賞の対象となり得る美的特性を備えた部分を把握できるものでもない。

(ウ)  以上によれば,着用する衣服の選択及び相互のコーディネート及び装着させるアクセサリーの選択及び相互のコーディネートについて著作物性は認められない。

【より詳しい情報→】http://www.kls-law.org/