キャラクターの通常使用料(定率方式か定額方式か)

 

▶平成11年7月8日大阪地方裁判所[平成9(ワ)3805]

4 このように当事者の主張及び証拠は、同じくキャラクター等の使用許諾に携わる者の意見に基づいていながら食い違っており、一致した業界慣行を見出し難いが、この点については次のように考えられる。

そもそもある商品を製造販売する者がその商品のためにある著作物を使用するのは、その著作物の顧客吸引力を商品の販売に利用しようとするからであり、著作物使用料は、この顧客吸引力の利用に対する対価であるということができる。ところで、(a)独自の識別力を有していない商品について、その商品の包装箱や形状に知名度の高い著作物を用いて商品の識別化を図る場合には、著作物の顧客吸引力が直接に商品価値に反映しているといえるから、そのような使用形態の場合の使用料が定率方式を採ることになるのは合理的である。4(一)及び(三)の各証拠が指摘する商品化的使用の場合というのは、このような場合を典型とするものということができる。

他方、(b)ある商品について、その宣伝広告にのみ有名な著作物を使用する場合には、それによって商品の顧客吸引力が高められたとはいえても、その効果は間接的で、著作物の顧客吸引力の利用と商品の販売量とが比例すると見ることが合理的とはいえず、著作物の利用度を販売量を基準に計ることができないことから、使用料として定額方式が選ばれることになるものと考えられ、4(一)及び(三)の各証拠が指摘する販促的使用の場合というのは、このような場合を典型とするものということができる。

また、(c)ある商品について著作物を使用する場合、包装箱に使用する場合にせよ宣伝広告にのみ使用する場合にせよ、その著作物が有名でない場合には、やはりそれを使用することによる効果は間接的であるから、使用料として定額方式が選ばれることになるものと考えられ、4(四)はこのようなケースに妥当するものと考えられる。

このような検討からすれば、(d)たとえ既に独自の識別力を有している著名な商品であっても、その包装箱に知名度の高い著作物を使用する場合には、商品独自の顧客吸引力と著作物の顧客吸引力とが相俟って、全体としての商品の価値を構成すると見るべきであり、著作物の利用度を販売量を基準に計ることができるものであるから、この場合も(a)と同様に、使用料は定率方式によることが合理的である。

そして、前記1で認定した事実からすれば、本件での被告図柄の被告医薬品への使用はこの類型に該当するということができるから、本件における使用料相当額の算定も、定率方式によることが相当である。

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