『アメリカ連邦著作権法における”著作物”とは~著作物の具体例~5/7』

 

(6) 映画及びその他の視聴覚著作物

「映画」及び「視聴覚著作物」については、定義規定が置かれています(101条)。

簡単に言うと、「映画」とは、一連の関連する映像からなる「視聴覚著作物」をいい、「視聴覚著作物」とは、映写機のような機械・装置を使って見せることが本来的に意図されている一連の関連する映像からなる著作物をいいます。このように、「映画」は「視聴覚著作物」の一つとして位置づけられています。フィルムに固定された劇場映画、ビデオテープに収められたテレビ番組、DVDに収録されたゲームソフト(の映像部分)などは、いずれも「映画」に該当します。

一方、フィルムやビデオテープ、DVDといった有体物に固定されていない「テレビの生放送番組」は、「映画」及び「視聴覚著作物」のいずれにも該当しません。米国著作権法のもとで保護される著作物は、その種類を問わず、「有形的表現媒体に固定された」(fixed in any tangible medium of expression)ものでなければならないからです(102条(a)参照)。

 

(参考:「映画」の定義)

“Motion pictures” are audiovisual works consisting of a series of related images which, when shown in succession, impart an impression of motion, together with accompanying sounds, if any.

「映画」とは、連続して見られる場合に、動きの印象を、音声を伴うものであればそれとともに伝える、一連の関連する映像からなる視聴覚著作物をいう。

 

(参考:「視聴覚著作物」の定義)

“Audiovisual works” are works that consist of a series of related images which are intrinsically intended to be shown by the use of machines or devices such as projectors, viewers, or electronic equipment, together with accompanying sounds, if any, regardless of the nature of the material objects, such as films or tapes, in which the works are embodied

「視聴覚著作物」とは、映写機、ビューワー、若しくは電子機器のような機械又は装置を用いて見せることが本来的に意図されている一連の関連する映像(それに伴う音声があればその音声を含む。)からなる著作物をいい、フィルム、テープなど、当該著作物が収録される有体物の性質を問わない。

 

映画の「発行」(101条)について

映画について「発行」があったというためには、次のいずれかの場合であることが必要です。

① 複数の映画のコピーが販売やレンタル(リース)によって公衆に頒布される場合

② ある集団(卸業者、小売店、放送事業者、映画配給会社など)に対し、その後の頒布又は公の実演を目的として、映画のコピーが提供される場合(例えば、ある映画祭の開催中そこで上映するために映画のコピー(1部でも)を主宰者に提供すると、当該映画については「発行」があったものとして扱われる)

映画の公の実演(例えば、映画館や教室での上映、映画のテレビ放送)があっても、それ自体では「発行」があったことにはなりませんので、注意が必要です。

【より詳しい情報→】http://www.kls-law.org/