『アメリカ連邦著作権法における”著作物”とは~著作物の具体例~3/7』
(2) 音楽の著作物(これに伴う歌詞を含む。)
「音楽の著作物」に関しては、米国著作権法上、定義規定はありません。通常の語感で捉えられる「音楽作品(楽曲)」(musical compositions)を想定して差し支えないと思います。「音譜」や、楽曲に伴う「歌詞」も、「音楽の著作物」に含まれます。ただ、米国著作権法には後に解説します「録音物」という類型があり、少々紛らわしいところがあります。「音楽の著作物」の著作者(著作権者)は作曲家(歌詞を伴うものであれば作詞家も)ということになりますが、「録音物」の著作者(著作権者)は、通常、そこに録音されている音楽作品を実演(演奏・歌唱等)した者か、又はその録音物の製作者となります。この点については、「録音物」の解説で詳しく述べます。
(3) 演劇の著作物(これに伴う音楽を含む。)
「演劇の著作物」に関しては、米国著作権法上、定義規定は設けられていませんが、一般的に、演劇(演技)、映画の脚本、ラジオ・テレビの台本等がこれに該当します。演劇に伴う音楽も「演劇の著作物」のカテゴリーに入ります。「著作隣接権」という概念を持たない米国著作権法のもとでは、役者・俳優の「演技」は、「演劇の著作物」に該当するものとして「著作権」による保護を受けることになります。
わが国には「演劇の著作物」というカテゴリーはなく、「脚本」や「台本」は「言語の著作物」(著作権法10条1項1号)に、「演劇に伴う音楽」は、「音楽の著作物」(同10条1項2号)にそれぞれ該当するものとして、著作権による保護が与えられています。一方、役者や俳優などの「演技」は、「実演」(著作権法2条1項3号)に該当するものとして、「著作隣接権」によって保護されます(著作権法89条1項参照)。
(4) 無言劇及び舞踊の著作物
これらについても定義規定は置かれていませんが、パントマイム(the art of imitating or acting out situations, characters, or other events)やバレイ・ダンスの振付け(the composition and arrangement of dance movements and patterns)がこれに該当します。また、この振付けを演ずる者(ダンサー)の当該実演も、「舞踊の著作物」に該当するものとして「著作権」による保護を受けることになります(米国では「著作隣接権」という概念がない)。一方、スポーツの試合での選手の動きやエアロビは、「舞踊の著作物」に該当しないものと解されます。
【より詳しい情報→】http://www.kls-law.org/