『アメリカ連邦著作権法における”著作物”とは~著作物の概念~4/4』

 

③ 「固定」性について

 

「固定」性の要件については、上述しましたように、わが国の著作権法では一般的には要求されていません(「映画の著作物」についてのみ「固定」が要件とされています)。米国著作権法の規定は、表現が何らかの有体物に「固定」されている場合にのみ著作物は著作権によって保護されるべきだとする考え方に基づくものですが、このような考え方は、国際的にも了解されています。ベルヌ条約には、次のような規定があります:

 

『もっとも、著作物一般又は特定のカテゴリーに属する著作物について、これらの著作物が何らかの物に固定されていない限り保護されないとすることを定めることは、同盟国の立法に属する問題とする。』(ベルヌ条約2条(2))

(原文)

It shall, however, be a matter for legislation in the countries of the Union to prescribe that works in general or any specified categories of works shall not be protected unless they have been fixed in some material form.

 

固定がなされる媒体としては、米国著作権法上、「コピー」(copy)と「レコード」(phonorecord)の2つが予定されています。この点、米国著作権法は、次のように規定しています(101条):

 

『著作物は、著作者によって又は著作者の許諾のもとで、一時的な期間以上のある期間の間著作物が知覚され、複製され、又はその他の方法で伝達されることが可能な程度に永続的に又は安定的に、著作物がコピー又はレコードに収録されるときに、有形的表現媒体に「固定」されている。送信されている音声、映像、又はその両者から成る著作物は、本編において、その送信と同時に当該著作物の固定がなされている場合には、「固定」されている。』

 

(参考:原文)

A work is “fixed” in a tangible medium of expression when its embodiment in a copy or phonorecord, by or under the authority of the author, is sufficiently permanent or stable to permit it to be perceived, reproduced, or otherwise communicated for a period of more than transitory duration. A work consisting of sounds, images, or both, that are being transmitted, is “fixed” for purposes of this title if a fixation of the work is being made simultaneously with its transmission.

 

上述のように、アメリカで著作権による保護を受けるためには表現が「有体物」(コピー又はレコード)に固定されていることが前提となるため、有体物に固定されていない、例えば生演奏や生放送などは、原則的には米国著作権法による保護の対象外となります。もっとも、上記の定義規定にあるように、音声や映像を含む生放送番組を送信する場合に、送信と同時にビデオテープ等に録画すれば、それは「固定」されたものして扱われます。

http://www.kls-law.org/