著作権法は発見や仮説そのものを保護するか | 著作権コンサルタントが伝えたいこと

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著作権法は発見や仮説そのものを保護するか

 

▶平成14年11月14日東京高等裁判所[平成12(ネ)5964]

被侵害部分に記載されているような地層を発見し,その構成を特定し,その層序を決めることは,豊富な経験知識を前提に,膨大な現地調査とそれに基づく根気強い分析をすることを要するものであろうことは,想像に難くない。また,その結果得られた発見や仮説が大きな価値を有することもいうまでもないところである。しかし,著作権法は,発見や仮説そのものを保護し,これらを発見者や仮説の提唱者に独占させようとするものではない。控訴人ら主張のように,素材の取捨選択等の内容の重視を押し進めて,それが独創的であるとの一事をもって,表現に創作性がある,としたり,あるいは内容が同一であることから,表現にも同一性がある,としたりすると,その背後にある発見(発見された事実)や仮説の他者による表明が,事実上極めて困難となり,結局,発見や仮説そのものを保護し,発見者や提唱者によるその独占を認めることにならざるを得ない。このような結果は,著作権法の立場と両立し得ないことが明らかであり,このような結果をもたらす控訴人らの解釈を採用することはできない。

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