スイカの写真の「本質的特徴部分」はどこにあるか

▶平成11年12月15日東京地方裁判所[平成11(ワ)8996]

翻案権の侵害について

被告写真が原告写真を翻案したものであるか否かについて判断する。

一般に、特定の作品が先行著作物を翻案したものであるというためには、先行著作物に依拠して制作されたものであり、かつ、先行著作物の表現形式上の本質的特徴部分を当該作品から直接感得できる程度に類似しているものであることが必要である。

ところで、写真技術を応用して制作した作品については、被写体の選択、組合せ及び配置等が共通するときには、写真の性質上、同一ないし類似する印象を与える作品が生ずることになる。しかし、写真に創作性が付与されるゆえんは、被写体の独自性によってではなく、撮影や現像等における独自の工夫によって創作的な表現が生じ得ることによるものであるから、いずれもが写真の著作物である二つの作品が、類似するかどうかを検討するに当たっては、特段の事情のない限り、被写体の選択、組合せ及び配置が共通するか否かではなく、撮影時刻、露光、陰影の付け方、レンズの選択、シャッター速度の設定、現像の手法等において工夫を凝らしたことによる創造的な表現部分、すなわち本質的特徴部分が共通するか否かを考慮して、判断する必要があるというべきである。

そこで、右の観点から、原告写真の本質的特徴部分はどの点にあるか、さらに被告写真から、その本質的特徴部分を直接感得できるか否かについて検討する。

http://www.kls-law.org/