廃墟写真の「本質的な特徴」はどこにあるか

 

平成23年05月10日知的財産高等裁判所[平成23(ネ)10010]

翻案権侵害を中心とする著作権侵害の有無について

著作物について翻案といえるためには,当該著作物が,既存の著作物に依拠し,かつ,その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ,具体的表現に修正,増減,変更等を加えたものであることがまず要求され(最高裁平成13年6月28日第一小法廷判決(江差追分事件)),この理は本件における写真の著作物についても基本的に当てはまる。本件の原告写真1~5は,被写体が既存の廃墟建造物であって,撮影者が意図的に被写体を配置したり,撮影対象物を自ら付加したものでないから,撮影対象自体をもって表現上の本質的な特徴があるとすることはできず,撮影時季,撮影角度,色合い,画角などの表現手法に,表現上の本質的な特徴があると予想される。

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