『侵害コンテンツのダウンロード違法化2/4』
3号について
私的使用を目的として自らする複製であっても、著作権を侵害する自動公衆送信(2条1項9号の4参照)を受信して行うデジタル方式の特定侵害録音録画を、それである(特定侵害録音録画である)ことを知りながら行う場合には、複製権を侵害することになります。平成21年の法改正で追加された条項です。
背景と意義
インターネットの普及拡大や情報処理の大容量化等を背景に、携帯電話向けの違法音楽配信サイトやファイル交換ソフト等によって違法に配信される音楽や映像作品を複製(ダウンロード)する行為が正規の配信市場を上回る膨大な規模となっているとの指摘が従来からありました。違法なインターネット配信からの音楽・映像のダウンロードの規模がますます膨大になってきていることや、違法配信そのものに対する対抗手段としての技術上の制約等から、音楽や映像等に係わる権利者団体(民間団体)だけで違法配信に対処することには限界があります。そこで、平成21年の法改正で、以上のような実態に着目しつつ、違法なインターネット配信から音楽・映像を複製(デジタル録音録画)する行為については、私的使用目的にかかる自由複製の適用対象から外して、その行為を違法配信からの複製だと認識しながら行うものに関しては、原則通り、権利者からの複製(デジタル録音録画)の許諾を要することとしました。
この改正により、違法配信からの複製と知りながらデジタル録音録画を行った場合には、複製権の侵害行為となりますので、当該行為に対しては一定の要件の下で民事的な請求(差止請求や損害賠償請求等)が権利者からなされる事態も想定されます。
一方、刑事上の制裁に関しては、そのような行為を行ったとしても、著作権侵害罪として罰則(刑罰)を科されることはありません(119条1項参照)。もっとも、この点については、平成24年の法改正により、「違法ダウンロードの刑事罰化」が明定されました。すなわち、特に悪質な行為(注)については、刑事罰(2 年以下の懲役又は200 万円以下の罰金(懲役と罰金の併科も可)(親告罪))の対象になりました(119 条3項1号)
(注) 私的使用の目的をもって、「録音録画有償著作物等」の著作権を侵害する自動公衆送信又は著作隣接権を侵害する送信可能化に係る自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の録音又は録画(「有償著作物等特定侵害録音録画」)を、自ら有償著作物等特定侵害録音録画であることを知りながら行って著作権又は著作隣接権を侵害した者に刑事罰が科せられることになります。