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『映像コンテンツの取扱いには特に注意を!4/5』
§ 映像コンテンツにのみ適用される「特別な規定」その②
「映画の著作物の著作権の帰属」に関する規定(29条1項)の解説
映像コンテンツの著作権は、その著作者が「映画製作者」に対し当該映像コンテンツの製作(制作)に参加することを約束しているときは、当該「映画製作者」に帰属する、との特殊な扱いがされています。
この規定の意味するところは、映像コンテンツの著作権は、原則どおり、創作によって「著作者」(本記事3/参照)に発生することになるが、同時に、法律上当然に何らの手続きを要することなく、その発生した著作権が「映画製作者」に移転する、ということにあります。その趣旨は、多くのプレーヤーがその創作に関与し、多大な投資を必要とすることが少なくない映像コンテンツについて、その円滑な利用を促し、映像コンテンツへの投資のインセンティブを確保することにある、と言われています。もっとも、財産権としての「著作権」が自動的に「映画製作者」に帰属することになっても、「著作者人格権」については「著作者」に残されたままです。この点も紛らわしいので注意を要します。
以上のような特別扱いがされるためには、映像コンテンツの著作者が、「映画製作者」に対し、「当該映画の著作物の製作に参加することを約束している」ことが要件となっていますので、法律の文言上は、この参加契約がない場合にはかかる”特別扱い”はされない、ということになります。もっとも、実務的には、かりに「参加契約書」なる書面が取り交わされていなくても、諸般の事情から「口頭」ないし「黙示的な」参加契約が有効に発生していると解される場合(はっきり言うと、映像コンテンツの著作者が「映画製作者」から製作への見返りとして相当の報酬が与えられている場合)には、当該映画(の著作物)の著作権は、映画の完成と同時に「映画製作者」に移転している解されます。ですので、著作権法29条1項の規定は、特殊なケースを除けば、ほとんどの映像コンテンツの製作(制作)に適用されるものと考えて差し支えありません。したがって、ある映像コンテンツについて、「著作者」のもとに「著作権」を残しておきたいのであれば、その旨を明示した書面を事前に取り交わしておいた方が無難です。証拠がないと、後で必ずもめます。
いずれにしても、映像コンテンツに関わる「著作者」と「製作者」は、権利の帰属の有無はもちろん、条件面や権利行使の具体的内容も含めて、お互いの意思を明確にする「契約書」を事前に取り交わしておくべきです。
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