有名デザイナーによるバッグ等の著作物性を否定

 

▶令和元年6月18日東京地方裁判所[平成29(ワ)31572]

原告商品[注:イッセイミヤケのデザインに係るショルダーバッグ,携帯用化粧道具入れ,リュックサック及びトートバッグ等いずれも物品を持ち運ぶという実用に供される目的で同一の製品が多数製作されたもの]は,物品を持ち運ぶという実用に供されることが想定されて多数製作されたものである。

そして,原告らが美的鑑賞の対象となる美的特性を備える部分と主張する原告商品の本件形態は,鞄の表面に一定程度の硬質な質感を有する三角形のピースが2mmないし3mm程度の同一の間隔を空けて敷き詰めるように配置され,これが中に入れる荷物の形状に応じてピースの境界部分が折れ曲がることにより様々な角度がつき,荷物に合わせて鞄の外観が立体的に変形するという特徴を有するものである。ここで,中に入れる荷物に応じて外形が立体的に変形すること自体は物品を持ち運ぶという鞄としての実用目的に応じた構成そのものといえるものであるところ,原告商品における荷物の形状に応じてピースの境界部分が折れ曲がることによってさまざまな角度が付き,鞄の外観が変形する程度に照らせば,機能的にはその変化等は物品を持ち運ぶために鞄が変形しているといえる範囲の変化であるといえる。上記の特徴は,著作物性を判断するに当たっては,実用目的で使用するためのものといえる特徴の範囲内というべきものであり,原告商品において,実用目的で使用するための特徴から離れ,その特徴とは別に美的鑑賞の対象となり得る美的構成を備えた部分を把握することはできないとするのが相当である。

したがって,原告商品は美術の著作物又はそれと客観的に同一なものとみることができず,著作物性は認められない(。)

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