誰が編集著作者と言えるか②
▶平成28年11月11日知的財産高等裁判所[平成28(ラ)10009]
著作者とは著作物を創作する者をいい(法2条1項2号),著作物とは,思想又は感情を創作的に表現したものであって,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するものをいう(同項1号)。編集著作物とは,編集物(データベースに該当するものを除く。)でその素材の選択又は配列によって創作性を有するものであるところ(法12条1項),著作物として保護されるものである以上,その創作性については他の著作物の場合と同様に理解される。
そうである以上,素材につき上記の意味での創作性のある選択及び配列を行った者が編集著作物の著作者に当たることは当然である。
また,本件のように共同編集著作物の著作者の認定が問題となる場合,例えば,素材の選択,配列は一定の編集方針に従って行われるものであるから,編集方針を決定することは,素材の選択,配列を行うことと密接不可分の関係にあって素材の選択,配列の創作性に寄与するものということができる。そうである以上,編集方針を決定した者も,当該編集著作物の著作者となり得るというべきである。
他方,編集に関するそれ以外の行為として,編集方針や素材の選択,配列について相談を受け,意見を述べることや,他人の行った編集方針の決定,素材の選択,配列を消極的に容認することは,いずれも直接創作に携わる行為とはいい難いことから,これらの行為をしたにとどまる者は当該編集著作物の著作者とはなり得ないというべきである。
もっとも,共同編集著作物の作成過程において行われたある者の行為が,上記のいずれの場合に該当するかは,当該行為を行った者の当該共同編集著作物の作成過程における地位や権限等を捨象した当該行為の客観的ないし具体的な側面のみによっては判断し難い例があることは明らかである。すなわち,行為そのものは同様のものであったとしても,これを行った者の地位,権限や当該行為が行われた時期,状況等により当該行為の意味ないし位置付けが異なることは,世上往々にして経験する事態である。
そうである以上,創作性のあるもの,ないものを問わず複数の者による様々な関与の下で共同編集著作物が作成された場合に,ある者の行為につき著作者となり得る程度の創作性を認めることができるか否かは,当該行為の具体的内容を踏まえるべきことは当然として,さらに,当該行為者の当該著作物作成過程における地位,権限,当該行為のされた時期,状況等に鑑みて理解,把握される当該行為の当該著作物作成過程における意味ないし位置付けをも考慮して判断されるべきである。
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