『従業員や派遣社員が作成する著作物の取扱いには注意を!~経営者の視点から~2/3』
§「会社等が著作者になる」ための要件【職務著作の要件】
それでは、会社等の従業員が作成した著作物の著作権(広義)が会社等に帰属するための「一定の要件」とは何でしょうか。著作権法15条を分解すると、次の要件が導き出されます:
① 「会社等の発意に基づき」作成される著作物であること。
② 「会社等の業務に従事する者」により作成される著作物であること。
③ 業務に従事する者が「職務上作成する」著作物であること。
④ 会社等が「自己の名義の下に公表する」著作物であること(注)。
(注)「プログラムの著作物」については、この公表名義の要件は不要です(15条2項)。
⑤ 作成時における契約、勤務規則その他に別段の定めがないこと。
著作権法上、「会社等が著作者になる」ためには、以上のすべての要件を満たしていなければならないのですが、実際問題として、経営者の方が上述の要件を満たしているのかどうかを日常的に判断することは、難しいと思われます。
例えば、
✔「会社等の発意に基づき」とはどういうことか? 著作物の作成を本人に直接(口頭で)指示しなければならないのか?
✔ アルバイトや派遣社員、外部のフリーランスは「会社等の業務に従事する者」に当たるのか?
✔「職務上作成する」とは、勤務時間内に職場で作成する行為に限られるのか? 従業員が勤務時間外にプライベートな余暇時間を利用して、リゾート先で職務に関連して何かを作成した場合、それも職務上作成したと言えるのか?
✔ まだ公表していない著作物や、そもそも公表する予定のない著作物は、「会社等の名義の下に公表する」著作物に当たるのか? 従業員がすでに本人名義で公表してしまった著作物はどうなるのか?
など、
検討すべき点は数多くあります。
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