著作権売買の落とし穴~「二重譲渡」という魔物(リスク)に対処する~6/6

 

§ ケーススタディ(事例研究)のつづき

 

[3] 対処法(リスクマネジメント)

 

結論[2-3]で述べたように、先に著作権を買い取った「乙」は、その登録をしておかなかったばかりに、「買ったはずのものが使えない!」という「著作権売買の落とし穴」にはまり込んでしまいました

このような事態に陥らないための対処法は実に簡単なものです。不動産の売買の場合と同様に(土地建物を買ったら法務局へ所有権の移転登記をするように)、「著作権を買ったら(直ちに)文化庁に移転登録をする」ということです。この登録さえ備えておけば、あとで二重譲渡が行われて、別に権利を主張する者が現われても、恐れることは一切ありません。

「二重譲渡」という「魔物」を排除するのは、「登録」という「御札」だけなのです。

 

【注意(重要)】

平成30年法改正により、それまで「著作権の移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。」(下線部に注目)としていたものが、下線部が削除されて上述した規定になりました。この改正により、遺産分割や相続分の指定などの相続による法定相続分を超える部分についての著作権等の移転や会社分割などの一般承継による著作権等の移転については、登録しなければ第三者に対抗することができないことになりました(この取扱いは、「令和元年7月1日」から実施されています)。つまり、「令和元年7月1日」からは、法定相続分を超える部分についての著作権の移転を受けた相続人や、会社分割などの一般承継による著作権の移転を受けた法人に関して、で見てきたケーススタディの二重譲渡(二重移転)の問題(「第1譲受人vs.2譲受人」と同様の問題が、「相続人vs.譲受人」「会社承継人vs.譲受人」の間で生じる可能性があるのです

もしあなたが誰かの著作権を相続するような事態に直面したら、以上の取扱いに十分に注意する必要があります。著作権を相続したら、是非その「登録」を検討してください。

 

この記事は以上でおわりです。最後まで読み切ってくれたみなさまに感謝します。

 

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